HONDA MD90:再整備#15 試験走行、というか。

「マフラーがつけられるのはいつの日か」なんて前回の記事で記しましたけれど。過去2ヶ月強に渡った整備について整理しながらチマチマ書いているうちに、作業の方が一段落してしまいました。そして本日、マフラーに吹いた耐熱塗料の焼き上げを兼ねて試験走行してきたのです。

今回の整備では、曲がりなりにも機能していたキャブやエンジンには敢えて触らず、そして結果的にサスにも手をつけられなかったとはいえ、新タイヤと新ハブダンパー、それに各部のフリクション低減の相乗効果なのでしょう。全体的に「滑らか」になった印象でした。もっとも、走行フィール改善よりも、視界や指先にサビの存在を感じられなくなったことが一番気持ちよかったですけどね。

ついでに、今回手をつけなかったキャブとエンジンにヨサゲな添加剤を求めて、バイク用品店に立ち寄ってきました。さりながら、今世紀に入ってから添加剤を買おうなんて気持ちになることが一度もなかったので、最近のソコラヘンの商品についての知識がゼロ。よって、素直に店員の薦めに従ってみました。

買ったのは、LIQUI MOLY のエンジンコーティング&クリーナーと燃焼向上剤の使い切りタイプ。「両方いっぺんに入れちゃって良いですよー」と言われたのだけれど、タンク容量と濃度を考えるとそれもどうかな…と思えたので、まずはクリーナーのみ注入しときました。もっとも、昔からこの手の商品の効果については額面通りに受け取れない人なので、内側をマシな状態にしてくれるというのなら、少しでも良いからそうしてくれろ、程度の期待でしかありませんが。

整備の記事は、もう少し、続けます。

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HONDA MD90:再整備#14 エキゾースト・ガスケットを外す

4年前の整備でもマフラーを外していたのですが、そのときにはガスケットが入っているようには見えず、そしてまた郵政カブにも使えるタグのついた社外品のガスケットが私の車両には合わなかったこともあって、液体ガスケットでお茶を濁していたのです。

で、ホントのところ、アルのかナイのか。何せ古い中古車だもの。過去ユーザがどう処理していたか分かりませんし、私にとって初めてのカブ(そして初ホンダ)でしたから、初期状態が分からないんですよね。ともあれ、下向きで確認しづらい箇所なので、スマホのカメラで撮影してみる。なんか、アルような気がする。

その撮影から1ヶ月。純正ガスケットが届いたところで、汚れを落として再確認。汚れを落としたらなおさらエンジンと一体化しているように見えてしまい、単なる段付き構造なんじゃねぇか? やっぱガスケットはナイんじゃないか??という疑念が湧いてくるわけですよ。

そんな疑念を持ちながら、マイナスドライバーで段差の内側をなぞってみる。隙間は、ない。ラスペネを塗って少し強めに押し込んでみる。ほんの少しだけ、角が入った。エンジンとガスケットの隙間か? エンジンのアルミパーツをえぐっているのではないか??

余りに自信がなくなってきたので、ここで一旦作業を中断して、カブのエキゾースト・ガスケット周りの写真をネットで探してみる。だけど、ほとんどが「これから作業しますよ」写真で、ガスケットを外したあとの写真が見当たらず。いわんや古い郵政カブの写真をや。ともあれ、調査の結果、普通のカブのエンジン側にはガスケットの台座となるような段差はなく、ツルンとしている可能性が高そう。

ということで、確信はないけど「絶対にアル」という思い込みで、再度ラスペネを注入し、ガツンとハンマーでドライバーをぶっ叩く。グニッと入る。あ、やっぱアルよ、これ。

ということで、ガスケットがない状態だと、ツルンとしてますよ、二段構造なんかじゃありませんよ、と。

なんて、カブ系エンジンでは常識なのかもしれないけれど、知らなかったものは知らなかったんだもん。

そして、新旧ガスケットの比較。

だがしかし。一連の整備を終え、マフラーがつけられるのはいつの日か。

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HONDA MD90:再整備#13 フューエルラインの交換

あちこちのサビも問題だったのだけれど、それと同程度に気になっていたのがゴム製品の劣化。取り立ててガソリン漏れなどは起こしてなかったとはいえ、事前にキャブレターのドレンからガソリンを全抜きしてあったし、フューエルラインのホースを交換するには良い機会だな、と、作業開始。
※私のMDはP型です。

両サイドカバーを外してからタンク下のボルト4カ所を外し、タンクをフリーな状態に。

フューエルラインはフレーム内を貫通しているので、作業の邪魔となるバッテリーを外して…

ボルト2本でフレームに固定されているバッテリーを収めるプラ容器を外したら、作業準備完了。

カブの燃料コックはキャブに付いているので、タンク側にガソリンが残ったままホースを外すとエライことになりそう。ホントはホースの途中をナニカで潰しておくべきでしょうが、硬化したホース相手にゃ無理な相談。よって、ドキドキしながら作業開始。上がリザーブ、下がメイン。

だがしかし。固着が激しくマイナスドライバーでコジったくらいでは動かない。そこで、カッターで開腹することにしました。コック側の金属部を傷つけないように、繰り返しうっすら切り開いていくと、ガソリンがじわり。先生!出血です!! 切開作業の手を早め、そそくさとホースを剥ぎ取り、用意していた容器に先端を突っ込む。幸い、ごく少量(ほ)。タンクではなくホースに残っていたものかと。

キャブ側を抜いたら、タンク腹側から出ているホースに着手。よくよく見たら、リザーブのホースが数ミリ縦に裂けてました。普段目にするところじゃないものねぇ。交換する気になってヨカッタ。

ホースをフレーム側に残し、タンクを取り外した姿。
右がリザーブ、左がメイン。

タンクの腹側。リザーブ出口の横に「R」の刻印があります。

タンクをひっくり返した状態だと左右逆になっちゃいますが、正位置で「Reserve は R 始まりで Right」と記憶しておけば、配管ミスを避けやすくなるかも。

今回の交換部品は、ケチって純正部品を使わず、キジマのフューエルライン・ホース(外径9mm、内径5mm、全長1m)を準備していました。部品表からメインのホースが47cmであることは読み取れるのですが、念のため、現物を計測。ホースが湾曲したまま硬化しているものの、ザックリ47cmで正しそう。リザーブの長さも同程度だよ、と。

ちなみに、純正ホースはキジマ製よりも内外径とも若干太く、かつ、区別のためにかメインとリザーブでテキスチャーが異なります。そこらへん気になる人は、純正を使った方が心安らごうかと。

外したついでにタンクの状態確認。「この先あまり乗らないんじゃないか」て予感がしたとき、予め満タン状態にしておくよう心がけていたためか、内部は比較的キレイな状態を保っていたのですが、外回りは当然のごとくサビが進行。

タンクは溶接箇所が多いので、余りサビをほじくり返したくないのと、今回の一連の整備はあくまでも整備であってレストアではない(どこかで区切りをつけないと長期戦になる)ので、マイナスドライバーで軽くコジって塗装が剥げるレベルの損傷箇所のみ、手をつけることにしました(写真はコジったあとの状態)。

キャブの後ろでホース2本を束ねていた金具も酷いサビだったので、コイツも作業対象。

その作業は、(例によって)耐水ペーパーで浮きサビを落とし、サビキラーを塗り、さらに塗料で覆い尽くすパターンです。

タンクのサビ部は、外観よりも機能重視でサビの上から塗れる系のマットブラックを筆塗りに。車体色がオレンジだけに見てくれは大層悪いですが、こうして悪目立ちさせておけば、未来の私がなんとかしようと思うかなと期待(笑)。ホースとの勘合部はピカールで軽く磨き、ホースを束ねる金具はサビキラーの重ねがけとしました。

そして、外したときと逆の手順で、タンクと裁断した新品ホースを装着。もともとホース2本はそれぞれホース保護用と思しき黒いビニールチューブに通されていて、そのチューブがまるで金属かのようにカッチンコッチンに硬化していたのですけれど、大した役目を果たしている部品には見えなかったので再利用することにしましたよ、と。

てな感じで、フューエルライン周りの作業、一件落着。
ガソリン漏れを起こすかどうかは、この先給油したときのお楽しみ!

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