HONDA MD90:再整備#11 キャリアを塗る

ホロビが進んだリアキャリアは、気泡状に浮いた塗膜ごとマイナスドライバーでコジってサビを落としていたのですが、一見塗膜がキレイな箇所もサビで下地が凸凹になっていることが判明しました。ここであまりムキになってサビを落とすと、穴が空いたりエッジがカミソリになる気配濃厚。最低限、キャリアボックスを安心して固定でき、センタースタンドをかける際の持ち手として機能すればよいので、外観は気にせず、劣化速度の遅延を主眼に作業を進めることにしました。

そこで、サビと朽ちた塗装を「ある程度」落としたところで、耐水ペーパーで全体を軽く荒らして均し、裸になったサビ部分にサビキラー塗布。

結果、墜落した科特隊機のような風合いに。

1週間後、上塗り塗料を選ばないというエポキシ系のサビ止めスプレーを塗布。

なにせ表面が凸凹しているのと裏の構造が複雑なこともあって、スプレー缶を2/3くらい使いました。基本的には二度塗りでしかないのに、重めの塗料との相乗効果で塗膜が厚いのなんの。タミヤパテを塗りたくったかのような風合いです。4日間ほど、匂いに悩まされました。

岩っぽいテキスチャー感が、チャームポイントですな。

当初、上塗りには余っていたガンメタとクリアを使うつもりでいたものの、この凸凹した表面にメタリックはヒドく残念な仕上がりになりそう。ならばいっそ、ソリッドな赤サビ色で塗ってやった方が保護色にもなって良いな、と思い立つ。

しかしながら、定番サビ色スプレーが近所のDIY屋で不思議と売られておらず、かといって他店を巡るのも面倒くさくなったので、「サビの上から塗れる」系の無難なアイボリーとしました。これまた粘っこい塗料で、3日間ほど匂いに悩まされることに。

といった具合で、どんだけ厚塗りするか!な印象は否めませんが、塗装の間隔を1週間おきとしたことも功を奏したのか、かなりシッカリとした塗膜にはなりました(そう願いたい)。サビがむき出しになっていた箇所と郵政レッドが残された箇所で、手触りが全く異なるのはご愛嬌、かな。

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HONDA MD90:再整備#10 タイヤを交換する

7年前に郵政カブを購入したときには、フロントに DUNLOP D107F、リアに D107 を履いていました。本来、D107 シリーズとして正しい組み合わせなのですけれど、フロントだけ昔のトレールバイクのようなパターンなのが気持ち悪くって、どうせカブだし、スピードが出るわけでもないしってことで、翌年フロントタイヤを交換した際、リアと同じ D107 を選択していたのです。

そして時がたち。リアのリアタイヤは、ヒビヒビワレワレの腰砕け状態。

6年前に交換したフロントのリアタイヤは、古いなりにもまだ使えそうでしたので、今回はフロントに新品のフロントタイヤ(D107F)を取り付け、リアにフロントのリアタイヤを移植することにしました。バイクでは余り聞く事のない、タイヤローテーションですな。

タイヤ交換に併せ、チューブもリムバンドも新品に交換。

とても気持イイ感じ。

フロントの交換の翌週末、フロントのリアタイヤをリアに組み付けたところ…

えええ、ヒビヒビじゃん!
どうやら交換作業中にヒザを使ってタイヤを押さえつけたのが、最後の一撃になった気配。

ということで、再びタイヤを外し、リアタイヤ(D107)を買いに行き、そしてまた、タイヤの組み付け。

心の中で泣きながら作業していて気づいたのですが、生産国がタイからインドネシアに変わっていたのね。

さすがに3度も交換していると作業が雑になり、再塗装したリムをタイヤレンチでものともせず。メッキに銀塗装したから、やっぱり傷は目立ちませんよ、と。ふふふ。狙い通り。

…あとになって、作業に備えて2ヶ月前にリムガードを買っていたことを思い出しましたとさ。

ついでに後輪周辺の話題。これまで一度も交換したことのなかったハブダンパーは、NTB 製で新品交換しました。スカスカツルツルの古いダンパーしか触ってこなかったから、プリッとした新しいダンパーの感触が新鮮だったり、ハブに入れても落ちてこないことに驚いてもみたり。

そしてベアリング3点は、面倒くさくなった、いえ、摺動が悪くもなかったので、交換部品を買ってはいたけれど、そのまま継続利用としました。

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HONDA MD90:再整備#9 スポークを張る

スポーク張り、初体験。
以下の作業は、そんな私の独自スタイルですので参考レベルまで。

スポークの表面を指先でなぞったときに少しザラつきが感じられたので(何らかの皮膜処理がなされていそう)、気持ちレベルのサビ予防を兼ねて、作業性向上のためのツヤ出しにシュアラスターのゼロウォーターを二度塗り込む。結果、つやつやスベスベお肌。

しかし。シュアラスターって聞くたんびにゼロテスターを思い起こしてしまうのは何とかならんか。

ニップル内部にも、気持ちレベルのサビ予防でシリコングリス塗布。

スポーク裁断前に撮影した写真を参考に、まずはインナーから1本1本張っていく。1本通したら、抜けない様にニップルで仮止め。インナーを張り終えたら、続いてアウター。すんごく、裁縫気分。

ふふ。できたぜ。
アウターで通すべき穴が1つズレたけどな。

やり直し、か…。

全スポークをハブに残したまま部分的に通し穴を変更しようとしても上手く行かず、無理しているうちにスポークがリムの縁に突き刺さり、塗装面を突き破る。あぁ。やっぱ不慣れな作業で手抜きするもんじゃあ、ありませんね。

結局、ほとんど初期状態近くまでスポークを外してからのリスタート。

そして、今度こそ、縫い目正しく完成。

新旧スポーク比較。

思えば、この郵政カブ以前に沖縄でバイクを乗っていたのって、毎年のように格安中古バイクを乗り換えていた学生時代まで遡ることになりますから、スポークつきの車両が手元に長いことあるのは今回初めてです。保管場所が問題を大きくしていた可能性はあるものの、一連のサビ具合をみるにスポークホイールって潮風多めの沖縄には不向きな構造なのかもしれませんねぇ。

閑話休題。タミヤの方眼マットの水平面でバランス取り。基準面との距離が近いのと方眼のおかげで、ブレを把握しやすいです。14インチ小径ホイール様々ですね。

初回作業となったフロントでは、バランスが取れているってことはテンションがある程度揃っているハズって解釈で、そそくさとタイヤを履かせて車両に取り付け、入れ替わりで後輪の解体作業に着手。あとはスポークレンチで一定の回転角で均等に増す締めしてやればテンション調整を完了できるハズ、という思惑だったわけですが、実際には、ホント意外なほどキツキツとユルユルなスポークが混在。方法論を再考。

作業2回目となるリアでは、スポーク裁断前にテンションのかかり具合を手に覚えさせ、スポーク張り替え後に適当と思われる張り具合のインナー&アウター各1本を選び、そのニップル先端から太さが変わる箇所までの長さを指標に、定規や竹串を利用しながら他のスポークの長さを統一。その後、方眼マット上でバランスを確認しつつ、テンションを均等に散らしました。ただし、新品スポークはいずれ伸びるので、テンションは敢えてキツ目。しばらく乗ってから再調整、と。

ということで、フロントで得た教訓をリアに活かし、そしてまたフロントをやり直し、です。

やっぱり、スポーク張りって、場数を踏まないとダメな作業の典型ですね。

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