HONDA MD90:再整備#7 前輪リムのサビ落しと塗装

焦げたトーストのようなサビにまみれたリムを、どう料理するか。手持ちの材料を吟味した結果、化学反応をサポートに力技で押し切るかいと、お酢つきボンスターで磨く事にしました。お酢レベルの酸性じゃ、気は心レベルかもしれませんけどね。

ゴシゴシゴシ…。飛び散る汗、したたるサビ汁。お酢をパートナーにした作業は、鼻につく匂いが難点。完全な平滑面にする意図も根気もなかったので、ひとしきり浮きサビが落ち、表面がある程度なだらかになったくらいで作業終了。台所洗剤で洗浄のち自然乾燥。

どうせ塗るならチョイと遊んでみようかなと想いを巡らせていたのですけれど、バンピーなサビ肌を目の当たりにして、遊びなし!保守優先!で心が定まりました。

まず、サビた箇所を安定化させる目的でサビキラーを塗り、サビの少ない健康的なクロームメッキ面を含む全面をミッチャクロンで下地処理し、再びサビキラーを上塗り塗料として塗る。この作業をリムの裏表に。

クロームメッキ上に塗ったサビキラーは、プラモ塗料のフラットアルミ的な質感。水性塗料だけに塗膜は弱い雰囲気です。でも、例え多少削れたとしても、下がメッキの光モノであれば、余り気にならないでしょう(きっと恐らく多分)。それに、傷がついても気にしない、オフ車のホイール的な感覚で捉えていれば、どうということでもありますまい。

サビが酷かった箇所は、シワシワちりめんテキスチャー(笑)。いやね、どうせまた、錆びるんですよ。何やったって。今後発生するサビをサビキラーで封じることを前提にしてしまえば、予めサビキラーで全面を覆っておけば色違いやら質感違いやらの違和感を最小限に抑えられるんではないか、という目論みでした(オイル耐性は未知数ですけどね)。

てか、このシワシワを均してキレイに塗装する手間(そしてサビが現れたときの落胆)を考えると、それくらいなら新品リムを買え!って状態ですからね。そこんとこは割り切りですな。

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HONDA MD90:再整備#6 前輪の分解

今回の整備の主目的は、安心して運転できる状態にすること(なんて根本的な!)と、蔓延したサビの処理の2点。これらに直接かかわってくるのがバイクの両輪でありました。残念ながら前後輪を同時に外した状態で車両本体を保管する環境がないので、まずは前輪から。

TS200Rで林道やモトクロスコースを走り回っていた頃に使っていた、ラフロのタイヤレンチが約20年ぶりに登場。さすがにカンどころを忘れてて、試行錯誤。小径タイヤは伸びしろが小さくて外しにくかった、てこともありそうですが、ね。

3枚に下ろしたところ。6年前に交換していたタイヤとチューブは、比較的マトモな状態を保っていました。

安心して運転できない最大の理由は、ぶ厚いサビで包まれ、さらにササくれていたスポーク。

金ノコで切ればイイかと左右4本づつ切断したところで、スポークのテンションが下がってきて作業効率が下降してまいりました。これはムリがありそうだと買ってきたのが、軟鋼線材 5mm 径まで切断できるという大洋精工のボルトクリッパ(TP-1200)。気持ちいいくらい、パシンパシンと切断できました。これはクセになりそう。

切り落としたスポークの山。
焦がしたプリッツのようでもありますな。沖縄の潮風をナメルナって感じです。

リムの腹の部分は、7割方、焦げたトーストのような分厚いサビ。
側面は、点々としたサビが2割くらい。

好奇心から重量を計ってみたら、1.6kg ありましたよ、と。

タイヤ交換したときに一緒に換えたかどうか記憶にないリムバンド。

かなりくたびれていて、外そうとしたらボロッと崩壊。

表側の錆び具合からして裏側もヒドイ状態だろうと予想していたのですが、カサブタ状の大きめのサビが数箇所あったものの、全体的には割とキレイ。

心、安らぎました。

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HONDA MD90:再整備#5 前輪の固着したネジとベアリングを外す

春先に手動インパクトレンチでも外れなかったスピードケーブル固定ネジ。今回は、Anex の「ネジはずしビット」で再挑戦。

ネジの頭にドリルで穴をあけ、その穴にビットをねじ込み、そのままレンチで回して外してしまおうという算段です。外す際にはインパクトを与えるな、ということだったので、モンキーレンチでの手作業としました。

いえい。クララが立ったぜ。
(結構な神経と力を要しましたが)

だがしかし。ネジがビットから外れない。対ステンレス用のオイルを塗らなかったのが、恐らくの敗因。だって、光具合がメッキぽかったんだもの…。

さらに追い打ちをかけるように、ネジを抜いてもスピードケーブルが抜けない。潤滑剤を吹いて1日おいても抜けない。…ゴムが溶解して内部に貼り付いてるのかなぁ。なんか呪われてるよ、ココ…。

気分を変えて、ハブ内のベアリング外しに着手。ベアリング交換は人の作業を眺めたことがあるだけだったので、専門工具を用意しました。ストレートのパイロットベアリングプーラーセット 8~25(mm) 19-603、てヤツです。

左側(ブレーキ側)はバキッ!と成功。

カラーはキレイな状態。

右側のオイルシールは、すっかり粘着していたのでペンチでむしり取りに。その奥にあるベアリングは、裏側から適当なパイプをあてがってプラハンマーで叩き出そうとガンガンガン! ……ビクともしねぇ。左側のベアリング外しで使ったプーラーを使っても、アタッチメントのツメをなめるだけで何も釣れず。うーん。これはもう、プーラーに長めの軸を通して、裏側から引きづり上げるしかあるめぇ。

プーラーで使われているのは M8 ボルト。長さは 140mm もあれば足りそう。近くの DIY 屋で探したのだけれど、100mm を超す全ネジが売られておらず。しかたないので、通販しました。

そして本日、商品到着。さっそくプーラーに取り付け、ベアリングに通した反対側に外径 17mm のワッシャー2枚とナット(いずれもステンレス製)を装着してスタンバイ・オーケー。

(またしても)神経と力を使いながらも、ギリギリギリ〜〜と楳図かずお風のノイズとともに、ベアリングの取り出しに無事成功♪

反対側の様子。ワッシャー2枚は、見事に湾曲していました。もう一回り大きくて厚いワッシャーがあれば、ほど良いようですね。ま、取れたからイイや。

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