Kの悩みを見える化

K10Dからの買換えに悩んだ挙げ句、転移行動でDA21mmをポチってしまったことはさておいて、改めて課題をクリアにすべく、思う所をまとめてみようかと。

高校時代からペンタックスのカメラを使っていた私が最初に買ったデジタル一眼レフが *istDSでした。詳しくは過去記事をご覧頂くとして(うわーもう10年前だ)、SFXやMZといったAF機を経由しないで、ME系ボディ(ME Super/Super-A)からすっ飛んできた私からすると、プラスチックの安っぽい外観と丸まるとしたデザインは気に入らなかったものの、ペンタの美徳である小型軽量な点は気に入っていたカメラでした。ただ昔のレンズを使うときに、1ダイヤルだとどうにも操作がしっくりこない。そこで買い替えたのが、K20Dが発売になって割安感が出ていたK10Dでした。

K10Dに触れて最初に感じたのは、デカイ・オモイでありました(※記事中の写真はマウントを指標にサイズと位置を揃えてあります)。*istDSでは小型軽量だから許せていた丸みを帯びた形も、大きくなってしまうとちょっとイケスカナイ。

その一方で、本体の質感と操作体系には満足。ただ、その後コンデジやらケータイやらで写真を撮ることが当たり前になり、出番が激減。(主に費用対効果的な理由で)買換えのタイミングを逸して今なお現役で使われております。

屋内ではオートホワイトバランスがトンチンカンなときが多いかな、とは思うものの、写り自体は悪くないですしね。それにMF馴れしている人間にしてみれば、QSFを使う限りAFの遅さ甘さも気になりませんし。

なんですけど。やっぱ高感度のノイズは最新機種の比ではなくって、ISO400が実用限界。特に最近の普及レンズは暗いので、ストロボなしでスローシャッターに耐えるのが、だんだん嫌になってきてしまったのです。それが、買換えようかなぁ…という考えが頭をよぎるようになってきた原因。

そんなタイミングで、新機種登場でソコソコ割安感が出て来たのがK-3。カッコイイなーと思っていたK-7のソリッドな雰囲気は世代を追うごとに薄れてきましたが、手に持つと実にシックリくる。元天文部としては、アストロトレーサー内蔵のK-3IIにも意味不明にクラッとくるのですが、まともな外付けストロボが手元にない現状に於いては、ストロボ内蔵の方が実用的かなぁ、と。しかも安いし(現時点では!)。

方や、大きさの点ではK-S2に魅力あり。K-S1ほどではないにせよ、まだ持ち運びに気軽さを感じられるボリュームですよね。ファインダー周りが格落ちなしなのもグッド(K10Dより広い)。持ったときの感触はK-3よりも劣るけれど、軽い分だけK-5みたいに右手の指が痛くなることはなくってソコソコ良さそう。だけど、工業製品としての魅力はK-3よりも段違いに下。プラスチック外装ですもの、いたしかたなし。

といった2台が、ほぼ同価格。しかも、中級クラスのデジタル一眼としてはこなれた価格だけど、絶対的に安価ではない価格。そりゃね、悩みますよ。使用頻度とか費用対効果まで考えちゃうと。

引き続き、大きさと重量の比較。まずはK10Dを基準にした場合。K-3が出たときにK-5よりもデカクなったかーと残念に感じたんですけど、K10Dに較べりゃ大した変化ではないのですね。幅が減った分、厚みが増してるものの、大抵のレンズはグリップよりも突き出るので、そこは重要でないかな。

次は、*istDS 基準。K-S2は、少し重いくらいでボリューム感は同程度。K10Dへの乗り換えでデカイと感じたのと同じ分だけ、小さくなったヨロコビを得られそうな気配です。やっぱ、K-S2なのかな。道具としては。

結論。今すぐ買うの、なーし! K-S2がもっと安くなったら考えよっと。今は不思議なくらい価格変動がないけれど、噂のフルサイズ機が発表される頃には動きもあるだろうし、お勤めは涼風が吹いてからですな、親方!

マニュアル好き

私らは、ちょうど色んなモノが「マニュアル操作が当たり前」から「自動操作が当たり前」に移りゆく過程にあった世代です。

例えば、クルマ。オートマ自体は大昔からあったにせよ、オートマ限定免許なるものが出現したのが、ちょうど私が沖縄で自動車免許を取ろうとしていた時期でした。当時は「オトコはマニュアル」が当たり前だったので、そこで敢えてオートマ免許を選択する男はヤヤ白い目で見られていたものです。

実際、内地で大渋滞にはまるとオートマは楽なんですけどね。沖縄では渋滞する地域が限定的で、その規模も大したことはないので、マニュアルでも問題なし。今更「オトコはマニュアル」というコダワリはありませんが、マニュアル車を選ぶことに抵抗がなく、かつ、マニュアルならではの楽しさを知っている。5速マニュアルのネイキッドを購入した理由は、そこらへんにありました。

そう遠くない未来、電気自動車が当たり前になったら、そもそも構造的にマニュアル・シフト(クラッチ操作)が存在し得ないので、この操作が出来る我々は無形文化遺産として表彰されることになるのでしょう。

もひとつ世代を絡めた私個人の特徴として挙げられるのが、一眼レフカメラ。その履歴は、露出計すらついていなかった祖父の KONICA FP に始まり、その後 PENTAX ME Super→Super A、そして銀塩AF世代をすっ飛ばして、PENTAX *ist Ds→K10D と続いています。

大学生のときに沖縄海洋博水族館の鯨類調査のお手伝いしていた際、撮影機材として持ち込まれたのが PENTAX LXとオートフォーカスのSFX。当時のオートフォーカスは遅いうえにオバカで、マニュアルフォーカスした方が速くて正確。この体験が、私のオートフォーカス・カメラに対する偏見を育んでしまいました(実際、90年代中盤までのAF性能は実用的ではなかったと思う)。結果、私のレンズは全てマニュアルで、カメラ本体もデジタル一眼購入までアップデートされることがありませんでした。

とうことで、今やカメラは新しいくせに、マニュアル・フォーカスで、レンズの絞り環がいじれて、露出もマニュアル主体という、捩じれた骨董人間の出来上がり。もっとも、カメラ側に絞りダイヤルが移行したAPSデジタル一眼の場合、MFレンズが使えるというだけで操作がちっとも楽しくないので、AFズームの方が気楽で良いなと、しみじみ感じておりますが。

そうそう。骨董といえば。

しばらく前、大学時代の友人家族と外食した時のこと。店のマッチをすってタバコに火をつけたら、子供が興味津々。なんでもマッチの存在を知らなかったそうな。その子にしてみると、擦ると火のつく棒なんて、まさに手品。確かに、いまどきマッチを目にする機会なんて、そうそうありませんものねぇ。

とはいえ。この世にマッチを知らん人がいるという事実に、心底驚かされました(笑)。

PENTAX *istDs

高校3年のときからペンタックス一眼ユーザの私。一昨年に*istDが出たときにかなり食指が動いたのですが、いかんせん先立つものがない。というか、果たして今、まだ完成されたとは言えない高価なデジ一眼を購入する必要があるのか?という思いが浮かんでは消えしているうちに1年が過ぎて行きました。そして*istDsが発売。4年ちょい前に購入した300万画素のコンパクトデジ・NIKON COOLPIX880とほぼ同価格まで売り値が下がってきた今年の正月、ついに財布の紐が弛んでくれました。

一眼レフとしては大学の時に中古で買ったSuper Aから15年ぶりの新機種(笑)。時が経っても、小型でかつシンプルなあたり、相変わらずペンタックスらしくてなにやら少しホッとしました。ただまぁ、プラスチックの丸みを帯びたボディには、一眼と言えばメタルでカクイという刷り込みのある私にはあまり魅力的ではありませんでしたが。

小型といっても、さすがに昔のカメラと比べると太って見えますよね。寸法上はそんなに違わないのですけれど…(横幅は*istDsの方が小さい)。ただその分、グリップした感じは良くって、重めのズームレンズを装着したときのバランスも良いですし、単焦点レンズをつけているときなどストラップをかけずに片手で掴んで持ち歩くようになりました。

私の所有レンズは全てマニュアル仕様(MとA)。マニュアルモード(M)で撮影するときに、シャッターを切る前に「AEロックボタンでで絞り込み測光」というステップが必要なのには慣れましたが、内蔵フラッシュ部のオーバーハングで絞り環が見づらいのが少々気分悪いですね。ファインダー内にはほとんど情報出ませんですし。もっとも、昔のレンズが今のカメラ(しかもデジカメ)で使えるだけでも嬉しいので、そこらへんはまぁ、許してやろう(でも改善してね)。Exifにレンズ&撮影情報がマトモに入らなくっても、まぁ許してやろう(でも改善してね)。という気持ちで過ごしております。

と、いいつつも。実際にあちこち持ち出していたら、やっぱデジカメはAFズームが楽しいのかなーなどと思うようになってきてしまいました。昔のカメラ(銀塩カメラ)の楽しみは「現像時の映像を想像してカンと経験を元にイロイロ調整しながら撮影」して「現像したときにイメージ通りなら嬉しい♪」あたりにあると思うのですが、デジカメだとその場で確認&修正できてしまうので、「仮に標準設定で撮影して、確認後に調整版を撮影」していくという変に作業的な撮影になりがちな気がします。それに*istDsのファインダーが良いとはいえ、所詮APSサイズのファインダーではマニュアルフォーカスがしにくくて、やっぱフォーカスする楽しみ以前にこれまた作業的に感じられてしまうのです。MF向きの交換スクリーンを出してくれれば印象も変わると思うのですけれども‥。

と、いいつつも。さいきん一眼を使わなくなっていたのが、*istDsを買ってからあちこち持ち歩くようになりました。ので、何だかんだ言ったって、オッケーな存在なのです。ランニングコスト(撮影枚数)を気にしないメリットが大きいのでしょうね。それに使っているうちに銀塩カメラ(というかマニュアル仕様の35mmフルサイズファインダーのカメラ)ならではの美点を再認識してきたので、案外Super Aと共存できそうだなぁ、という感じです。そういう意味でも私的にはちょうど良いポジションのカメラなのかもしれません。

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