ONKYO CR-N775:すごく残念な感じ。

壊れた ONKYO CR-N755 の後釜を何にするか。同じような立ち位置のマランツ M-CR612 は評判良さそうだし、設置場所がテレビに近いから、CD は録画機で再生することにして AV アンプにするのもアリかな、などと考えていたところで、ONKYO の直販サイトのアウトレットコーナーで割安な CR-N775 を発見。775 は、755(有線LAN対応)と同世代の上位機種 765(無線LAN対応)の更新モデル。まぁ、悪い選択肢ではなかろうと、流れでポチっとな。本日、ブツが届きました。

775を箱から出そうとして、余りの軽さにイヤな予感。おおよそ、オーディオ製品ってイイモノほど重たいですからね。

正面の見てくれは余り変わらず。奥行きが少し短くなり、天井の放熱スリットが簡素に。

背面のアナログ入力端子が2セット減り、電源コンセントが三極から二極になり、AMアンテナ端子がなくなる(AMチューナーがない)。そして、ピン端子の金メッキがなくなり、消費電力が70Wから36Wへと半減。増えたのは、Bluetooth / 無線LAN 用のロッドアンテナ2本。

といったあたりからも、なんとなく、機能追加ぶんコスト削減して価格維持に勤めました!具合が伺えますな。

ともあれ、設置。

いっとき、ステレオのレイアウト変更を考えていたときに、たまたま見つけたナカミチ印のバナナプラグを面白半分に買っておりまして(なんでナカミチでスピーカーアクセサリー?しかも格安品?と突っ込みどころが多かったんで!)。ここぞとばかりに利用することにしました。

ひさびさに、電工ペンチを手にする。ケーブル剥きは楽しいなぁ(笑)。しかし、肝心のバナナプラグは、もともとのイモネジの据え付け具合がよろしくなくって、外すのにすんげぇ苦労しました。名前負けも甚だしい。志も精度も低いメーカーに買われたブランド名って、哀しいですねぇ。

スピーカー(ONKYO D-112EXT)のほか、各種機器を繋いで電源オン。
最初にネットワーク設定を求められるあたり、時代ですねぇ。775 は無線LANに対応していますが、755 で使用していた LAN ケーブルを流用して有線接続としました。

一通り設定を済ませて、まずは CD を流してみました。…なんということでしょう。音が、しょぼい。いかにも「パワー不足でスピーカーを鳴らせてない」感じで、ツヤもツブもメリハリもない、平板な音なのです。音質関連の設定を色々試してみて、ソース信号のダイレクト再生ならまだ聴ける音になることに気づき、デフォルトでオンになっている低音補強機能(Phase Matching Bass Boost)をオフ。そこからトーン調整で補完することにしました。決して望ましいことではないのだけれど、いずれ良くない音に耳が馴染むのを待つばかり(耳のエージングですな)。

一方、ネットワーク対応(機能と表示)は 755 からずいぶん改善されてました。面白半分で Mac や iPad から Air Play で音楽を流しつつ、Android タブレットにインストールしたアプリで再生制御してみたら、オレはナニをしてるんだろうという気になりましたよ、と。

なんでソコを変えるか?!と思ったのが、リモコン。多くのボタンで信号が変わっていて、755のリモコンが使えないのはまだしも、学習リモコンの学習し直しが地味にイラッとしました。

かてて加えて、CD のイジェクトボタンがリモコンにも制御アプリにも存在せず、おまけに従来機のリモコン信号でも機能しない。唯一存在する本体の物理ボタンが接触不良をおこしたときに(使い続けてるとママある)、どうしようもないじゃんか…。

アンプの仕様も先代765まで磨かれてきた過去の技術(WRATとかね)とは決別して、本機から新調(3-state Bitstreamとやら)されているんですけれど、リモート信号なんてドウデモイイものまで変わっていることからして、パイオニアAV部門の吸収からこっち、基礎レベルからの改修(仕様共通化によるコストダウン強化?)が行われていたんじゃないかと勘繰ってしまうところ。まして、もはやオンキョーのAV部門まで(日本マランツやデンオンを引き取った会社に)身売りすることが決まっている訳ですから、なんというか、最後の透かしっペ的な製品を掴まされてしまった感が、なきにしもあらず。

20年以上、ONKYO INTEC 205 / CR-N シリーズを使ってきた人間からすると、どうかナカミチのようにはならないでね、マランツやデノンのように頑張ってね、と願うばかりです。

【追記】購入から2年半後、CD トレイが開かなくなりました

ONKYO CR-N755:閉じ込められた CD を救出する。

例年以上に雨が降り続いていた感のある沖縄。湿気もまたヒドイもの。その影響なのか、CD レシーバー ONKYO CR-N755 の電源が急に入らなくなりました。オンにしようとすると、通電時になるカチッという音がした直後に、電源オフ時になるカチッという音がして、それきり沈黙。繰り返しボタンを押しても、間隔を空けて押しても、気象条件を選んで日を置いても、全くダメ。壊れたなら壊れたで仕方ないのだけれど、中にスプリングスティーンが閉じ込められているので、救出活動に入りました。

まずは、両側面4本、背面4本のプラスネジを抜き、筐体カバーを外して内部構造を観察してみる。CD トレイが開かない!なんて、ありがちなトラブルに思えるから、比較的容易に対処できるような仕組みがありそうなものなのだけれど、残念ながら、ソレっぽい機構は見当たらず。

となると、前面が怪しい。フロントパネルを外すのに、アゴのプラスネジ2本を抜く。

そして、アゴの部分をガコッと引き上げ、側面に生じた隙間にマイナスドライバーを突っ込みながら、フロントパネルをこじ開けてみる。なんだけど、ナニカが引っかかる。ケーブルではなさそう。よくよく観察してみると、ディスプレイ部のアクリル窓が妙なたわみ方をしている。たぶんこりゃ両面テープだ。

そこで、側面から差し込んだマイナスドライバーの先端で、内側から窓を外に押し出すようにしながら手でフロントパネルを引っ張ったら、メリッと外れました。

両面テープはアクリル窓の下部に横一文字に貼られてました。正しく復旧したい場合は、テープ剥離剤と新品の両面テープ(目視で幅5mmくらい)が必要になりますね。

CD トレイの下側に、いわくありげな穴がある。コレにピンを刺せば、強制イジェクトできるんじゃないか?!と期待してみたものの、大ハズレ。

さらに分解すべく、前面フレームを固定している3本のプラスネジを抜く。

そしてまた、ナニカが引っかかる。今度の原因は、ケーブル。

電源ボタンから連なるケーブルを固定しているタイラップをニッパで切断。さらに、その反対側にある黒いフラットケーブルを固定しているハーネスと、前方で青/白ケーブルを束ねているハーネスを指先で開いて、各ケーブルに遊びを持たせる。

かくして、前面フレームが外れましたよ、と。

してからに、観察&指先確認。トレイの下側に顔を見せている白い歯車が、トレイの出し入れに関与している模様。

その白い歯車を指先でグリグリ回していくと…。
トレイが完全に開き、無事、CD の救出に成功!

救出成功の報に、ボスの顔にも安堵の表情が浮かんでおります。

どうせ本機は廃棄するとはいえ、逆の手順で元通りにしておきました。
さすがに、切断したタイラップはそのままにしましたけどね。

そういえば、6年前にこのレシーバーに買い替えたのは、ONKYO INTEC 205 の CD デッキ(C-705FX)が壊れたからだったんですよね。このときは、トム・ペティが閉じ込められましたっけ。なんでこう、ロックな人達ばかり篭城するか。機械が壊れるのは仕方ないこととはいえ、せめて、中に誰もいないときに壊れて欲しいものです。

朽ちたスピーカーを買い替える。

春先、スピーカーの外回りを布巾でフキフキしていたときに、気まぐれにサランネットを外してみたのです。したら、ウーファー外周部がボロッボロ…、その周辺には白いポツポツが大量に…。

どうも、カビに有機物が吸い取られてカピカピに干涸び、朽ちてしまったご様子。経年劣化もあるのだろうけど、特にここ8年半は海チカでしたから、環境要因も大きいのだろうなぁ…。

ユニット構成を入れ替えながらも、90年代半ばから ONKYO INTEC 205 シリーズを使い続けてきた私。朽ちたのは、初期ラインアップで単品販売されていた D-102Aでした。さいきんステレオで音楽を流す頻度が下がっていたし、集合住宅だから音量も控えめにしていたし、そして恐らくはカビによる浸食が徐々に進行していたということもあるのでしょう。ちっとも異変に気づきませんでした!

ということで、スピーカーを買い替えることに。東京に居たときなら、ヨドバシなり秋葉原なりで店頭試聴してから決めていたでしょうけれど、沖縄の家電量販店にはそんな環境がない。かといって街ナカのオーディオショップ(まだ数件生き残ってる)は、専門化がどんどん進んで高額商品しか扱っていなさそうな気がする。よって、不本意ながら通販することにしました。

そうなるとね。私の場合、もう20何年も耳にしていた ONKYO 製品でリプレイスするのが妥当。選ぶ楽しみが限定される反面、音の好みの面でハズレが少ないでしょうから。そこで選んだのが、ネット上で評判が良く、そして都合良く型落ちして安く売られていた D-112EXT でした。

時代も思想も大きく隔たりのある D-112EXT と D-102A ですが、ラインアップの中では同じようなポジション。スタンダードより、ちょっとイイ、みたいな。

仕様を比べてみると…
D-102A: 50Hz~35kHz/Max 80W/6Ω/89dB/w184xh298xd237mm/5.2kg
D-112EXT: 60Hz~100kHz/Max 80W/6Ω/84dB/w162×h267×d271mm/4.8kg

再生周波数帯域がずいぶん上まで伸びてますね。ハイレゾ対応を唱うのも大変だ(笑)。使用頻度を考えると存在感が軽い方が望ましい私にしてみれば、ほんの少しでも小型化されている点が◎。

現在使っているメインユニットは、ONKYO CR-N755。D-112EXT とは同世代で、しかもセット品としても販売されていたくらいなので、相性の心配はナシ。

で、その音は、といえば。過去に使っていた ONKYO のスピーカー(2セット)は、ややメリハリに欠けるけど中音域のツヤが嬉しいような印象を持っていたのですが、今回のは割と音圧の高いズンドコ系に寄ってるような気がします。小型ウーファーで足りない低音域をバスレフでゴッソリ稼いでいるのでしょう。今風の音、とも言えるんでしょうかね。とはいえ、米国ブランド品ほどドコドコしてはいないですし、リーズナブルな価格含め、全体的なバランスとしては良いんじゃないかと。なんて、破れたコーンに気づかなかった私の耳をしての感想ですけど(笑)。

しっかし、これで INTEC 205 関連モデルが手元から完全に消え失せました。 長きに渡りご苦労!であります。

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