CCCD

Copy Contorol CD の一般的な?略号。
なにやら音楽データベースか旧ソ連みたいな略ですね。

今まで CCCD を買ったこともなければ使ったこともない私にしてみれば、ヤなモン作りやがったなぁ、ぐらいにしか感じてなかったのですが、昨日、知人からお祝いに買ってもらったアルバムが CCCD だったので、少し調べてみようと思った次第です。

CCCD については、ずいぶん前からあちこちのページやブログで話題に上っているメディアですから、きっとご存知の方も多いでしょう。私の認識では、CCCD とは音楽CDプレーヤーで再生可能な音楽ディスクであり、更にPCでの複製・変換・再生に制限を加えたディスクであると。あとは、音質が悪いよ、とか、相性が悪いとCDプレーヤーが壊れるカモね、とか、そんな噂ともつかない話を小耳に挟んだくらいでした。

さて。初めて CCCD 仕様のアルバムを手にした私。帯に書かれた薬の注意書きのような警告文をつらつらと眺めてみました。ふーん、オーディオCDプレイヤーでも一部の機種では再生に不具合があるかもしれんって本当だったんだぁ。え?、ポータブルでもDVDでもカーステでも再生できないんだ。MP3対応じゃなくてもメモリ積んでるだけでダメなんかなー。DVDコンポしか持ってない人はどーすんじゃい。えぇっ?、マックじゃ再生できませんの?? なんだかまぁ、音盤の複製と楽曲の複製・変換を防止するためだけにしては、過剰に制限の多いディスクですな。

さらに検索して “CCCD Channel” というページに記載された詳細を読んでみました。音楽ディスクといっても、CDの標準規格である Red Book の仕様から外れているので、本当は「CD」ではないのですね(少なくとも商品に “Compact Disc” のロゴは使えないし、Copy Control CD という名称すら自己矛盾している)。これは初耳。しかもプロテクトの仕様が統一されてない上に、標準化すらされてないのかぁ。ヒドイなぁ(つまりハードメーカーが CCCD 正式対応プレイヤーを作れない)。

DVDみたいに新しい標準規格が生まれるときに(規格外の DVD+R/RW の存在も不思議だけど)、新しいコピー防御システムが加えられるならまだしも、既に普及した標準規格から外れてまで、しかもハード側の完全なる再生保証もできない状態の商品を世に出すとはトンでもない身勝手ですね。これで更に音質が通常のCDと異なる(マスタリング時の音質と異なる)のであれば、そりゃ消費者は大反対するわい。と、今さらながら思いましたとさ。ちょっと、プロ野球の再編問題のイヤーな空気に通ずるものがありますね。

私個人は、好きなアーティストであればCDを買うことになんのためらいもありません(オトナになってコヅカイが増えてからは特にネ)。初めて聴くアーティストの場合は人から借りることもありますが、それで好きになれば、その後はちゃんとアルバムを買って活動資金に還元してあげたいと思いますもの。数年前から日本で音楽CDの売れ行きが悪くなっているのは、違法コピー(と輸入盤と中古盤)が原因である!という言葉には一理あるとは思いますけれど、それで業界が営業努力を強化していたのかどうかはともかく、その売れてないCDをちゃんと購入している人達にまで不利益を生じるシステムを導入するのは道義上おかしいですよね。一歩ゆずってプロテクト強化を良しとするにしても、なんで仕様を標準化してからハードとセットで導入しなかったのか。正直、不可解だし、不快だし、傍迷惑です。というわけで、CCCD 反対派に1票。 

Blue Note Tokyo

東京は青山にあるジャズクラブ。

“Blue Note” といえば、米国ジャズ盤の大御所というかオリジンと言っても良いレーベル。その名を冠しているだけあって、メジャークラスのジャズプレイヤーの演奏を楽しめるスペースとなっているようです。

私はジャンルを問わず音楽を聴きまくる人間なので、ジャズも守備範囲。もっとも、ジャズCDを買っていた時期が既に一昔前になってしまっているので、今の現役バリバリ演奏家に関しては知識が乏しいのですが・・・。ともかくもまぁ、以前からそれなりに興味があったので、いっぺんくらい行っておこうと思いつつ、なかなか行ききれないでいたところへ、昨日たまたま知人から誘われて渡りに船の初体験となりました。

基本的には「オトナの音楽付きおしゃれな御食事処」。入店から演奏が始めるまでの時間(最大1時間半)に、美味しい食事と歓談を楽しんで、それから素敵なジャズ演奏を堪能してくださいませ、というスタイル。でもなぁ・・・。

ココは先に予約を入れておき、当日に整理券を配って、入店時にその順番で自由に席を選べるようになっています。つまり、良い席を取るためには早い時間に店に行く必要があり、そうなると開演までの長い待ち時間を、ちょと高いくせにそれほど美味しくもない食事を何品か食べてないと間が持たないという、まことに結構なシステム。

また、店内ギチギチに席が配されている上に、私らの座った舞台前の席などは相席が標準。テーブル自体も狭いので、料理が並べられると隣の客と肩身の狭い思いをしながらの飲食会と相成ります。店員もキチンと客の注文を把握しているわけでなく、誰に料理を持ってきたのか分からない対応をしてくれる割には接客姿勢だけは丁寧で、とてもオマヌケな印象を受けました。

一方、舞台までの距離が近いので、アーティストと「同じ場所を共有している」という一体感は○。しかし、それだけ近いのにアンプで増幅された音がデカいスピーカーからガンガン流れてくるのは×。私は舞台の右袖の正面やや奥の席に座ったのですが、そこは3連右スピーカーの目の前。身体を左に捻って舞台を眺めていたところ、舞台左側の音も何も全て右耳から入ってくるので、視覚と音源の不一致にものすごいキモチワルサを感じました。総じて「生演奏を聴いているんだ」というライブ感が皆無なのです。これって致命的じゃない??

つまるところ、ちゃんと演奏を聴くためには席の選択が大変重要であると。そのためには(一般人は)早い段階で整理券を入手して、早い段階で待合室にいる必要があると。それで高いメシを食うことになっても良しとすると。といったところを気にしないで楽しめなきゃオトナじゃないのかなー(笑)。私的には、あんな料理であんな音環境であるなら、演奏直前に行ってハジっこの方で会場全体の雰囲気を楽しんだ方が良いような気がしました。

私的結論。デートであるとか、その場の雰囲気に重点が置かれるシチュエーションにはピッタリかな。音楽を聴くことに重点を置くのであれば、フツーの演奏会に行くべきでしょう。まぁ、オーナーの開店当時の気構えはともかく、営業的には時代がトレンディだった頃の遺産なんじゃあねぇかという気がしないでもありませんね。

追記:公演ごとに楽器編成によって音のバランス取りが異なるでしょうから、毎回、音響面のチューニングが今回みたくヒドイ(もしくはヒドク聴こえる席が生じる)かどうかは分かりません。とだけは書いておきましょう。今回が初めてだから。でも初めてだけに、期待はずれ、大でしたわ。

「Deep Blue」★★☆☆☆

BBC制作の海洋生物ドキュメンタリー映画。

しばらく前にレンタルした「WATARIDORI」の映像に感銘を受けたところへ、劇場で観た予告編がこれまた臨場感と爽快感のあるものだったので、(遅ればせながら)期待して観に行きました。

ところがですね。その映像は「WATARIDORI」のような浮遊感へのコダワリとか工夫といったものが全く見受けられず、純粋に写したものをカット割りで魅せようという方向性。またベルリンフィルの音楽も感動的にうるさ過ぎ。ドキュメンタリーでその場の生音を満足に聞けないというのは致命的なような気がするんですけど・・・。総じて構成も音楽も演出過剰で、なにやら民放のオリンピック中継を観ている気分でした。

それでも最初の20分くらい、特にイワシの大群が様々な生物についばまれていくシーンは楽しめましたよ、えぇ。でもそれ以降は、NHKあたりで目にした映像ばかりといった感じ。後半の深海パートでは合成まで使いやがるしなぁ。うーん。海洋生物映像集としては「よくできました」なのですが、なんだかやっぱり映画というよりテレビ屋さんが作ったテレビ番組ですね。それも「地球を大事にネ!」なんてナレーションが入るような(そんなの言葉でなく映像で表現せいっちゅうに)。

私は大学で海洋生物を専攻した海大好き人間なのですが、それでも何回か意識が遠のきました。車を運転してなくて良かった。館内は、映画の日ということもあったのでしょうが意外なほど混んでいました。夏休み前に比べると上映館数も増えているような気もしますし、ひょっとして案外ウケているのかしら・・・。私同様、睡魔と戦っていた人が多かったのに! 

Copyright ©2025 新たまねぎ小屋 All Rights Reserved.