ONKYO CR-N755:閉じ込められた CD を救出する。

例年以上に雨が降り続いていた感のある沖縄。湿気もまたヒドイもの。その影響なのか、CD レシーバー ONKYO CR-N755 の電源が急に入らなくなりました。オンにしようとすると、通電時になるカチッという音がした直後に、電源オフ時になるカチッという音がして、それきり沈黙。繰り返しボタンを押しても、間隔を空けて押しても、気象条件を選んで日を置いても、全くダメ。壊れたなら壊れたで仕方ないのだけれど、中にスプリングスティーンが閉じ込められているので、救出活動に入りました。

まずは、両側面4本、背面4本のプラスネジを抜き、筐体カバーを外して内部構造を観察してみる。CD トレイが開かない!なんて、ありがちなトラブルに思えるから、比較的容易に対処できるような仕組みがありそうなものなのだけれど、残念ながら、ソレっぽい機構は見当たらず。

となると、前面が怪しい。フロントパネルを外すのに、アゴのプラスネジ2本を抜く。

そして、アゴの部分をガコッと引き上げ、側面に生じた隙間にマイナスドライバーを突っ込みながら、フロントパネルをこじ開けてみる。なんだけど、ナニカが引っかかる。ケーブルではなさそう。よくよく観察してみると、ディスプレイ部のアクリル窓が妙なたわみ方をしている。たぶんこりゃ両面テープだ。

そこで、側面から差し込んだマイナスドライバーの先端で、内側から窓を外に押し出すようにしながら手でフロントパネルを引っ張ったら、メリッと外れました。

両面テープはアクリル窓の下部に横一文字に貼られてました。正しく復旧したい場合は、テープ剥離剤と新品の両面テープ(目視で幅5mmくらい)が必要になりますね。

CD トレイの下側に、いわくありげな穴がある。コレにピンを刺せば、強制イジェクトできるんじゃないか?!と期待してみたものの、大ハズレ。

さらに分解すべく、前面フレームを固定している3本のプラスネジを抜く。

そしてまた、ナニカが引っかかる。今度の原因は、ケーブル。

電源ボタンから連なるケーブルを固定しているタイラップをニッパで切断。さらに、その反対側にある黒いフラットケーブルを固定しているハーネスと、前方で青/白ケーブルを束ねているハーネスを指先で開いて、各ケーブルに遊びを持たせる。

かくして、前面フレームが外れましたよ、と。

してからに、観察&指先確認。トレイの下側に顔を見せている白い歯車が、トレイの出し入れに関与している模様。

その白い歯車を指先でグリグリ回していくと…。
トレイが完全に開き、無事、CD の救出に成功!

救出成功の報に、ボスの顔にも安堵の表情が浮かんでおります。

どうせ本機は廃棄するとはいえ、逆の手順で元通りにしておきました。
さすがに、切断したタイラップはそのままにしましたけどね。

そういえば、6年前にこのレシーバーに買い替えたのは、ONKYO INTEC 205 の CD デッキ(C-705FX)が壊れたからだったんですよね。このときは、トム・ペティが閉じ込められましたっけ。なんでこう、ロックな人達ばかり篭城するか。機械が壊れるのは仕方ないこととはいえ、せめて、中に誰もいないときに壊れて欲しいものです。

朽ちたスピーカーを買い替える。

春先、スピーカーの外回りを布巾でフキフキしていたときに、気まぐれにサランネットを外してみたのです。したら、ウーファー外周部がボロッボロ…、その周辺には白いポツポツが大量に…。

どうも、カビに有機物が吸い取られてカピカピに干涸び、朽ちてしまったご様子。経年劣化もあるのだろうけど、特にここ8年半は海チカでしたから、環境要因も大きいのだろうなぁ…。

ユニット構成を入れ替えながらも、90年代半ばから ONKYO INTEC 205 シリーズを使い続けてきた私。朽ちたのは、初期ラインアップで単品販売されていた D-102Aでした。さいきんステレオで音楽を流す頻度が下がっていたし、集合住宅だから音量も控えめにしていたし、そして恐らくはカビによる浸食が徐々に進行していたということもあるのでしょう。ちっとも異変に気づきませんでした!

ということで、スピーカーを買い替えることに。東京に居たときなら、ヨドバシなり秋葉原なりで店頭試聴してから決めていたでしょうけれど、沖縄の家電量販店にはそんな環境がない。かといって街ナカのオーディオショップ(まだ数件生き残ってる)は、専門化がどんどん進んで高額商品しか扱っていなさそうな気がする。よって、不本意ながら通販することにしました。

そうなるとね。私の場合、もう20何年も耳にしていた ONKYO 製品でリプレイスするのが妥当。選ぶ楽しみが限定される反面、音の好みの面でハズレが少ないでしょうから。そこで選んだのが、ネット上で評判が良く、そして都合良く型落ちして安く売られていた D-112EXT でした。

時代も思想も大きく隔たりのある D-112EXT と D-102A ですが、ラインアップの中では同じようなポジション。スタンダードより、ちょっとイイ、みたいな。

仕様を比べてみると…
D-102A: 50Hz~35kHz/Max 80W/6Ω/89dB/w184xh298xd237mm/5.2kg
D-112EXT: 60Hz~100kHz/Max 80W/6Ω/84dB/w162×h267×d271mm/4.8kg

再生周波数帯域がずいぶん上まで伸びてますね。ハイレゾ対応を唱うのも大変だ(笑)。使用頻度を考えると存在感が軽い方が望ましい私にしてみれば、ほんの少しでも小型化されている点が◎。

現在使っているメインユニットは、ONKYO CR-N755。D-112EXT とは同世代で、しかもセット品としても販売されていたくらいなので、相性の心配はナシ。

で、その音は、といえば。過去に使っていた ONKYO のスピーカー(2セット)は、ややメリハリに欠けるけど中音域のツヤが嬉しいような印象を持っていたのですが、今回のは割と音圧の高いズンドコ系に寄ってるような気がします。小型ウーファーで足りない低音域をバスレフでゴッソリ稼いでいるのでしょう。今風の音、とも言えるんでしょうかね。とはいえ、米国ブランド品ほどドコドコしてはいないですし、リーズナブルな価格含め、全体的なバランスとしては良いんじゃないかと。なんて、破れたコーンに気づかなかった私の耳をしての感想ですけど(笑)。

しっかし、これで INTEC 205 関連モデルが手元から完全に消え失せました。 長きに渡りご苦労!であります。

DAC をアンプに繋いでみる。

先日購入した DAC 兼ヘッドフォンアンプ、Deff Sound DDA-DAC1U。圧縮音源の粗さまで忠実に再現してくれるほど DAC として正しい性能を発揮しているのだけれど、ヘッドフォンで聴くにはツライ音源もあることは前回記した通り

そんな折、ふと思い出したのが押入れにしまっていたアンプ、ONKYO INTEC 205 シリーズの A-905TX の存在でした。同シリーズの CD プレイヤーが壊れた時に、同じ横幅のネットワーク対応 CD レシーバー CR-N755 にリプレイスしていたのですね。

で、さっそく PIN ケーブルで繋いでみたところ。クリアでメリハリのあるデジタルな音源にアナログの温かみが加味されて、実にいい感じ。圧縮音源の欠損補完機能とかはありませんけれど、いい具合に音のバリを削って面取りしてくれている感じなのです。ヘッドフォンで聴くためだけに使うにはモッタイナイ気もしますが、押入れで眠らせておくよりゃよっぽどマシですな。

思えば、まだ MacOS 9 が現役だった頃、 ONKYO SE-U77 という USB オーディオ・インターフェースを A-905(無印)に繋いでいた時も取り立てて音質面で気になる点はなかったような。よって、長いことオンキョー製品の音に耳が慣らされた人だから今回も良く聞こえた、というバイアスは入っているかもしれませんけどね。

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