サブウーファー自作:#3 木製部品の整形

11月中旬、小型スピーカーのエンクロージャー組み立てがひと段落したところで、放置していたサブウーファーに目を向けることにしました。まずは状態確認の意味で各部品の寸法を測定。図面で指定していた高さ 120mm に対し…

  • 長側面(穴無):118 – 119mm
  • 長側面(穴付):119 – 121 – 120mm
  • 短側面(2枚):120 – 120mm
  • 補強材(3枚):120 – 120mm
  • 補強材(1枚):119 – 120mm

DIYショップで示されていた作業上の加工誤差は ±2mm。隙間が目立っていた長側面(穴無)でも範囲内だから、まぁ致し方ないかなという感じ。前面/背面パネルにも歪みがあったので、部品の組み合わせの影響もありますからね。

状況を把握したところで、最も短い 118mm を目指してヤスっていく。当初は、試しにハンドリングの良い短側面・補強材から着手することにして、それらを束ねて手持ちの紙やすりブロックに粗目の布やすりを巻いて作業していました。しかしながら、スポンジ素材のブロックだと、変形して水平面を作りづらいことを実感したので、別の方法論に切り替え。

新たに購入した研磨道具たち

まずは、短側面1枚と補強材2枚を縦一列に配置し、これを2セット横並びにする。その両脇を長側面で挟み、都合4列となった素材を紐で縛って一塊にする。

それから、摩擦面が硬いドレッサー(NT L-30P 中目)でガシガシ削って水平面を作りつつ、各部品の共通項である高さ 119mm を目指す。その後、粗目の紙やすり(#100, #120)をクリップ式ホルダー に取り付け、高さ 118mm を目指して削っていく。

ところどころ脱線しましたが、基本的には、そんな流れ。何せ音を出す作業なので、時間帯に配慮しながら1回の作業時間を短くし、期間に制限を設けず作業日を分散させました。かててくわえて、途中でサボっていた時期もあったので、ひと段落するまで3週間くらいかけたのかな。

おおよそ高さが揃ったところで、改めて仮組み。部品をひっくり返したり配置を入れ替えたりしながら、最もガタの少ない組み合わせを探り出す。構成が定まったら、間違えないように部品にマーキングし、その後は部品単位でヤスリがけして微調整。

向こうに見えるは、台まで完成した小型スピーカー

最後に各面をドレッサーで軽く整え、再度仮組み。
接着工程に備え、しばらくウェイトを載せて固定箇所を馴染ませましたとさ。

サブウーファー自作:#2 木製部品の用意

10月のある日、DIY ショップ(メイクマン)でアカシア集成材(18mm厚、900×600mm)を購入。用意しておいた図面を渡し、店内の有料サービスで部材の切り出しと穴あけ加工を依頼しました。

小型スピーカー用エンクロージャーの前後パネル加工(MDF 12mm厚)もこの時に依頼。

前面パネルに側面パネルを載せ、内部の補強材のクリアランス確認

1時間半ほど待って部品を受け取り、部屋に戻ってすぐに仮組み。
部品に問題ないか、部品同士の干渉などないか、あたりをざっくり確認。

スピーカーユニットと前面パネルの嵌り具合、背面パネルとのクリアランスを確認

なんとなく、大丈夫そうな雰囲気。やっぱ木目はイイなぁ…

などと眺めているうちに、一部、やたらと隙間が空いていることに気づく。

その隙間は、大きいところで 2mm強。しかも楔形にナナメっている。つまり、密閉性を高めるためには、最も高さが短い辺に合わせて側面部品4点と補強材4点を水平に削り、新たな平面を作らねばならない。

ふつうに考えるとカンナ案件だろうけど持ってないし(あっても長いこと手にしてないし)、電動サンダーも持ってないし(そもそも五月蝿いから使いたくないし)、ノコギリじゃ精度が出ないし。となると、手でヤスっていくしかなさそう。厚さ 18mm の硬い板を8枚、ね。

はい。ここに至り、やる気が失せました。

作業が再開されたのは、それからひと月後、小型スピーカー組立がひと段落してからのことじゃったそうな。

サブウーファー自作:#1 エンクロージャーの仕様策定

時は戻って10月上旬のこと。2ch ステレオで運用中の AVアンプ Pioneer VSX-S510 の音響性能向上のため、パッシブタイプのサブウーファーを追加することに決めました。

設置環境的に「椅子の下にも置ける薄型筐体・4Ω」が欲しいものの、一般的な家庭用サブウーファーは「正方形断面の縦長筐体・6Ω」が大多数。条件に合致するのは自動車用なのですが、カーステのサブウーファーってズンドコ五月蝿いイメージがあって、それなら自作しようかな、という気になった次第。

【図1:初期検討資料】形状や構造の違いで3案考えてました。割と早い段階で、基本形状は左側の図(C案)に決定

そのくせ面倒くさがりでもあるので、当初、良さげなスピーカーユニットを市販のエンクロージャーに取り付けて、ちゃちゃっと済ませるつもりでした。

市販エンクロージャーの筆頭候補は、パイオニア・カロッツェリアの特定ウーファー専用のコンパクト筐体。なんだけど、NFJ ストアで購入することにした8インチウーファーユニット(冒頭の写真)が、カロ謹製ユニットよりも奥行き長く、装着できなくはなさそうだけれど背面パネルとのクリアランスが小さすぎ、イヤな感じなので除外。

次点候補は、アークヒルというブランドの筐体。安価だし、寸法的にも OK だったものの、表面仕上げがカーペット張り。犬との同居環境では獣毛集積装置になりそうで、これまたイヤな感じ。

つまるところ。エンクロージャーから自作するしかないじゃん。

仕様を定めるにあたって、8インチスピーカー用エンクロージャーの容積についてネットで情報を集めたところ、9〜18L(簡易的に外寸で計算)の範囲に集まっていました(図1)。そこで無難なところで、その範囲内の大きさで、扁平形状で、上手くパーツを切り出せそうな構成を素人考えで模索。最終的に、幅440mm、高さ 290mm、奥行 120mm+板厚の密閉型としました。

【図2:カット図面】ベースの板材を縦横 900×600mm、厚 18mmとし、DIY ショップでの加工依頼用に作成した資料(1:前面・背面、2:側面(長)*、3:側面(短)、4/5:内部補強材)
*2の穴はターミナル取付用

引き続きネットで材料について調べると、サブウーファー筐体には 18mm か 21mm 厚の MDF が適当ぽいので、地元の DIY ショップ(メイクマン)まで下見に GO。だがしかしけれども、いずれも店頭販売なし、3×6板なら取り寄せ可、とのこと。いくらなんでも必要量の3倍もの板なんか、要らんわい。

ということで MDF を諦め、店内に並んだ板材を眺めているうちに、板厚18mm、900×600mm のアカシア集成材が目に留まる。帰宅して改めてネットで確認したところ、硬さ十分で素材として悪くはない気配。さして高くもないし、色柄も好みだし、もうそれで決定。

そそくさと部品切り出し用の図面(図2)を清書して、日を改めて、材料の購入と店頭での部品切り出し作業依頼に向かうことにしたのでした。

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