PENTAX K-S2:なりゆき試し撮り(Planar T* 1,4/50 ZK 篇)

日曜日の試し撮りで標準レンズの画角をなんとなーく思い出して来たので、デジタル一眼ではほとんど使う機会のなかった 50mm レンズ、Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZK を K-S2 に付けての撮影テストに切換えました。カメラの設定も、撮影の主旨も、液晶閉じての一発撮影もこれまで通りです。

チワワの生態を撮るのにイイ画角なのかも
PENTAX K-S2 / Planar T* 1,4/50 ZK
f4, 1/400, ISO100, +0.7EV

以前から使いあぐねていたのが中望遠域。これがズームだったら、広角から寄ってって対象を絞り込むような使い方になるのでさほど気にならないのですが、単焦点だと最初の距離感を計りかねてストレスになるんですよね。そうして、デジタル一眼ではほとんど使わなくなった 50mm レンズ。

露出補正は余計でしたね…
PENTAX K-S2 / Planar T* 1,4/50 ZK
f3.5, 1/100, ISO1600, -0.3EV

かてて加えて、このレンズは昨年の久々の出番で撮影前に落っことしていたので、まぁ、なんというか、今日は色んな意味での「テスト」となりました。結果、問題なさそうだよ、と。本体の質感も、フォーカス時のトルクも、そして描写も心地よいレンズですからね。心底、ほっ。

実景は、暗ぁい夜空に木のシルエット、でした
PENTAX K-S2 / Planar T* 1,4/50 ZK
f1.4, 1/10, ISO1600

K10D からの乗り換えという世代ギャップはあるのかもしれませんが、K-S2 とこのレンズの組合わせで驚いたのは、暗闇での強さ。上と下の写真は完全にカメラ任せ(絞り優先・マルチ測光)で撮影していたので、明るめに振れることは予期していたものの、ここまでシャープに撮れて色ノリが良いとは思うだにしませんでした。

しっかし、夜目が効く組合わせだなぁ
PENTAX K-S2 / Planar T* 1,4/50 ZK
f1.4, 0.3″, ISO1600

また、最後の写真はどうせ手ぶれしているんだろうと思っていたのに、そこそこ普通に撮れてる。シェイクリダクションの機能向上もありうる話だけど、K10D よりも心持ちミラーショックが少ない印象があるので、そこらへんも効いているのかな、と。同じシャッター速度で撮った、K10D + DA21mm リミの組合わせでは、ブレてモヤっとしてましたから。

三脚なしにここまで撮れるなら、学生時代、夜の写真をパチパチ撮っていたクセに、すっかり夜景撮影のコツを忘れきっているこの現状をどうにかせねば。そして、中望遠域を覚えなきゃ(笑)。

PENTAX K-S2

火曜にポチった K-S2 が本日届きました。ズームキットからキットズームを抜き取られた、ボディのみのアウトレット品です。

古いシグマの 75-300mm F4-5.6 は腐れて廃棄してしまったし、防滴仕様のレンズを持っていないこともあって、はじめのうちは割安なダブルズームキットにするつもりでいたんですけどね。ボディ単品なら単品で、値段が手頃だからいっか、と。

K-10D との大きさ比較。先日の記事で触れた通り、幅で 2cm 近く違います。ほぼ同寸の *istDS ほど軽くないのは残念だけれど、それでもやっぱり小型軽量を実感。そして質感も悪くないです。触った時に、あ、金属じゃないんだ、とすぐに分かりますけど(笑)。

真っ黒ボディを選んだのは、塗装が剝がれても目立ちにくいから!

ぜってぇ間違うと思ったのは、シャッターボタン周りのオン/オフスイッチ。K10Dは一番奥が「絞り込みプレビュー(&測光)」なのに対し、K-S2は「ビデオ」。これ、もう少しなんとかできなかったんでしょうかねぇ…。

あと後ダイヤル横の「AF/AE-Lボタン」は不用意に押しがち。露出補正ボタンと機能入れ替えできたら、まだ良いのに。

ボディが小さいだけに、ちっこい DA21mm も K10D に付けたときほど見た目の違和感がありません。また、本体の幅が狭い分、左手の自由度が高いので、フォーカスリングにすっと指がかかります。K10D では指先でリングを探す感じでしたから、これはラッキー。

単玉で一番大きくて重い、Planar T* 1,4/50 ZK。直線基調のカメラ本体と合わせ、なかなかに良い雰囲気です。

一方、ボディが小さいだけに左手にカメラ底部が載る余地がないので、大きいレンズをつけたときの安定感はいまひとつ。

DA 17-70mm F4 は決して重いレンズじゃないのだけれど、K10Dに較べると重心が前気味で使いづらそうな印象を受けました。本体の大小/軽重で痛し痒しな部分ですね。

K10D で使っていた、拡大アイカップ(O-ME53)も使用可。ただ、これ付けてると外周部が見づらくなるので、K10D よりファインダーが改善されている K-S2 では要らんかな、と考えております。

しっかし、このカメラ、液晶パネルをウラにしとくと、ファインダーを覗かない限り、撮影モード以外のインフォメーションが全くないのですね。ある意味、フィルムカメラよりもストイック。それこそ、液晶閉じっぱなしにして、撮影感覚を鍛えるのに良いカメラなのかも知れません(笑)。

ペンタで気に食わないものがあるとすれば、それは充電器。揃いも揃って、みなデカイー。カメラ以外も小型軽量化して欲しいものですわい。

と、いったところが本日の感想。まだちゃんとした撮影には至ってはいませんが、K-S2を選んだ理由は何といっても「持ち出す気になれそうな一眼レフ」であること。上でボヤキも出ましたが、小さいことがネガティブにも働くことは折り込み済みなので、本人的には、そんなこともあろうべな、レベルでありまする。

三段跳びだよカールくん。

前々回の投稿でも触れましたが、先月、イベント現場の記録写真を撮影することになりました。それも朝から。といっても、8時半に現着だったので多くの人には大したことはないでしょうが、普段9時台に起床している人間にとっては、なかなかの早起きだったりするのです。

で、寝ぼけたまんま机の上でレンズ交換しているときに呼びかけられて、ほい?っとカメラ片手に振り向いてみれば、レンズが固定されていなかったよと。ぽ〜んとキレイな放物線を描いたのは Carl Zeiss PlanarT*1.4/50 ZK。リノリウム張りの床でガンガン跳ねてパッキーンとガラスの破片が飛び散りました。準備中の現場に余計な作業を増やしてしまって面目なし…。

後日、心が安らいだところで改めてチェックしてみたら、どうも割れたのはプロテクターフィルターだけだったぽいぞ、先端から少し奥まった場所に位置する前玉には影響なさそうな気配だぞ、と。

ただ、残されたフィルター枠が変形してビクともせず、実際にどこまで被害にあっているのやら外から確認しづらいので、まずはニッパとペンチでフィルターを捻り切るところから着手。ふだんのカメラ整備では出て来ない工具ですな(笑)。

フィルター枠を剥いたあと、細かいガラスの破片を慎重に吹き払い、まじまじと観察。前玉と後玉のコーティングは、おおよそ大丈夫(希望的観測含み)。何枚かテスト撮影した範囲では光軸ズレも、たぶん大丈夫(かなり希望的観測含み)。フィルター受けのネジ溝が使いものになるかどうかは、同径のフィルターがないので確認できず。といった塩梅でした。

このレンズは、PENTAX A50 F1.2 の新品在庫が店頭から消えつつあった7年ほど前、どっちにするか悩んだ挙げ句に購入したものです。広角好きの私的には、APS-C で 75mm相当のレンズなんかそうそう使う機会がないのは分かっていたのですけれど、趣味的にマニュアル操作に拘っていた人間からすると、このタイミングを逃すと、こんだけ明るいマニュアルレンズを新品で購入できる機会はもうないゾ、と。そんな気持ちが後押ししたのでした。

結果、買ったは良いけどやっぱり使ってない(それどころか K10D すら出番が少ない。いわんや Super-A をや)ので、壊れたと思った時は、それはそれで仕方がないやと冷静に受け止めていたのですけれど、壊れてないならないで、それはそれは目出たい話でございまする。

ともあれ、使わないとね。宝の持ち腐れだもんね。現実に腐れたレンズも出初めてきているしね…。

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