スティーヴン・キング「ドクター・スリープ」

ステーヴン・キングは、10代の頃から読み続けている作家のうちの一人、ではあるものの。なにせ多作な方なので、本屋で見かけたときに気になったら手に取るようなスタンスでお付き合いしております。いや、ました。だって、沖縄で生活するようになってから、通勤途中で本屋に立ち寄るって習慣がなくなっちゃったんですもの。そんな状況下、「シャイニングの続編が映画化されるってよ」てな映画情報サイトの記事で、この本の存在を知った次第。

(キングの長編でよく感じることなのだけれど)話が転がり始めるまでがタルかったのと、今回の「悪いもの」が昔からありがちな存在で若干興を削がれたこともあり、少し読んでは飽き、しばらくして開いては閉じを何度も繰り返し、上巻の途中までに半年以上経過(笑)。それが先日の読書用イスの設置を機に再び手にしたら、一気に読み進んでしまいましたよ、と。前作「シャイニング」には読書後のカタルシスがありましたが(サイコ・サスペンス寄りの映画版との大きな違いですな)、本作も同様。いやむしろ、ダニー坊やが過ごしてきた年月が重かった分だけ、本作の方が気持ち良く読み終われると思います。

結論といたしましては。やっぱ、読書環境って大事!

本の椅子(不二貿易 リラックスチェア スリム)

小さな頃から本好きだった私ではありましたが、眼力に陰りが見え始めたここ1〜2年、めっきり読書量が減ってきてしまいました。眼鏡は作ったんですけどね。視力が良かった期間が余りにも長かったものだから、その存在になかなか馴染めないでいるのですわ。そのくせ、習慣で本は買ってしまうので、読みかけが溜まる一方。

こらなんとかせにゃと、しばし考えてみる。リラックスした姿勢を保ちつつ、目のピントを合わせやすい位置で本(肘)を保持できれば、大分違うような気がする。そこで、近所の家具屋でアレコレ座ってエア読書しながら、良さげなイスを物色してきたわけです。

そして選んだのは、不二貿易「リラックスチェア スリム」。お値打ち価格のセール品ゆえに色は黒のみ。ま、ショッキングピンクとかでなきゃ、何色だろうが構いやしません。

ユーザー組立品なので、まずは開梱して部品チェック。

たまたま目にしたネットの評では、梱包材と勘違いして面パッドをカッターで切り開いてしまった人の声がチラホラ。確かに見間違うのも無理ないようなミテクレでしたが、組み立て後に隠れてしまう部品なんて、だいたいソンナモノかと。ユーザー組立品の例ではないのだけれど、ダイハツ ネイキッドのサンバイザーの心材なんて、紙段ボールでしたもの。

すわっ木部フレームにヒビが??と思ったら、合板の部材の色で一安心。

いや、このイス、点数の少ない部品ほぼ全てでシートにかかった荷重を分散して支える構造をしているものだから、どこかに応力が集中すると一気に崩壊しそうな雰囲気を醸し出しているんですよね(許容重量は80キロ迄だったかな)。

部品確認後、軽く清掃。そして、説明書に従って組み立て開始。
部品が少ないおかげで、ちゃっちゃか作業。

そして組み上がり!
小型ソファーも選択肢にあったのだけれど、これくらい存在感が軽い方が邪魔にならんですやね。

なお、このイスは全体がバネのようにしなるので、仮締め→本締め後、イス全体を揺らしたり座ったりしてからネジの締まり具合を再確認するが吉。増締めが必要なネジが、思いのほか生じました。この分だと、しばらく使い込んでから改めてネジの弛みを確認した方が良さそうですな(と、説明書にも記されてましたが)。

あとに残されたゴミ。
事務用イスやデスクのような重量物と違い、梱包材が少なくって後始末も楽ってもんですわい。

AQUOS R compact

そして、久々に読書にふける
そして、当然が如く犬が寝る

アンディ・ウィアー:火星の人

このあいだ観た「オデッセイ」が面白かったので、原作本を読んでみました。

理屈づけがガッチリしているのでジャンル的にはハードSFなんだろうけど、大半が一人称「ぼく」の口語体で記されていることもあって、雰囲気はラノベ的。おかげで上下巻、すらーっと読み進めることができましたよ、と。なかなか面白かったです。

映画では説明が足りなかった理屈や心理描写が原作にあって、方や、映像でなければ分かりづらい描写が映画にはあってと、両者が丁度よい具合に補完し合っている感じです。原作を読んでから映画を観た人も、映画を観てから原作を読んだ人も、どちらも満足できるんじゃなかろうかと。つまるところ、上手いこと映画化しやがったなリドリー・スコット、であります。

なお。一人称が「ぼく」だと、本を読んでいる間に脳内で形作られる人物像って、どうしても10代〜20代前半のナヨっとした男性になってしまうのだけれど、先に映画を観ていた私の脳内ではマット・デイモンの姿で置き換えられていました。これは良かった、かな。同じく「ぼく」で語られるハインラインの「夏への扉」なんぞは、最後の最後で脳内で形作られていた人物像が崩壊しましたからねぇ…。なんて、一人称にいろんな言い方がある日本語ならでは、か。訳者も大変だ(笑)。

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