オデッセイ(The Martian)

週末、「オデッセイ」を観てきました。リドリー・スコットのことだから、シリアス演出で臓物的なオドロオドロしさがあるのかと思いきや、全編通してストレートな娯楽作品でありました。「テルマ&ルイーズ」にも通じる、前向き映画ですな。そこらへん全く予期していなかったので(笑)、作品世界に馴染むまでに時間がかかっちゃいましたよ、と。実話ベースの「アポロ13」ほどカタルシスはなかったけれど、宇宙飛行士のくせにパニクリまくる「ゼロ・グラビティ」と違って、皆さん仕事がプロフェッショナルで良ござんした。

火星犬気分
(半段暗くすりゃ良かったな)
PENTAX K-S2 / HD DA 35mm F2.8 Macro Ltd.
f5.6, 1/80, ISO200

【追記】後日、原作を読みました。これまた面白かったです。

筒井康隆:モナドの領域

士農工商SF時代における日本3大SF作家の一人である筒井康隆の本は、学生時代にそのほとんどを読んでいたものの、「パプリカ」が最後になっていたので、ほぼ20年振り。

ちょっとズルいなぁとニヤニヤしつつ、楽しく読み終わりました。
きっと、ニヤニヤしながら執筆してたんじゃなかろうか(笑)。

自称「最高傑作」は言い過ぎだろうと思うものの、言いたい放題書きやがったな感があるので、言い過ぎも許されるのかもね。

ちなみに、個人的には「俗物図鑑」がベストです。
SFじゃなくってエスクラメントォかもしれませんが!

スターウォーズ VII フォースの覚醒

大晦日に「フォースの覚醒」を観てきました。小学生のときから全作品をリアルタイムで鑑賞して来た人間としては、あちこちに散りばめられた過去作品のオマージュは楽しかったのだけれど、9作からなるシリーズの1本としての存在感がいまいち弱かったのが残念。

ルーカス不在で「スターウォーズ」として作品が成立しているか否か、なんてことは横に置いとくとして(だって、過去6作でもバラツキが大きいもの)、私的に引っかかったのは以下の点。

一つ目は、登場人物の多くが悩んでたり後ろ向きだったりしたこと。迷いがないのはレイアとポー・ダメロンくらいか。旧作品でのお悩み役は、ほぼ主人公だけだったものね。これも時代の反映かしら。

二つ目は、若い登場人物たちがおしなべて能力的に未熟なこと。例外は、これまたポー・ダメロン。

三つ目は、二つ目と被るけど絶対的なヒール役が存在しないこと。カイロ・レンはアナキン以上の駄々っ子だし、キャプテン・ファズマは出番少ないし…。

四つ目は、戦闘シークエンスがどれも似たような乱戦で夫々の見せ方に大きな差がなくって「またか」感が強く、かつ、主人公たちが逃げてばかりいること。

五つ目は、惑星ごとの異世界感の欠如。全般に「地球でロケしてきました」感が強くて、旧作にあった宇宙旅行感が薄いのですね。

六つ目は、冒頭を除いて緩急なさすぎなこと。ちょっとネタを詰め込み過ぎじゃないかなぁ。常に勇ましい音楽が流れてて、いささか疲れました。

好意的に捉えるのであれば、四つ目までは次作以降でのキャラクターの成長を見せる布石にはなるなのかな、と。最後の二つは、そういう演出をする監督なんだから仕方ないや、と。

もちろん面白いシーンもありました。主人公たちに4のような闊達さが戻って来たことは喜ばしいし、BB-8 のサムズアップはウケたし。もうちょいハン・ソロ控えめで、ポー・ダメロン多めな展開だったら、爽快感が増しただろうにね。

さりながら、もっぺん冷静に眺めてこようかな、と考えております。
途中、尿意に負けて中座してしまった、という裏事情もございますれば!

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