自作スピーカー3:#1 エンクロージャーの設計と部品加工

今回の 2.5 インチ フルレンジ用エンクロージャーの仕様は、前回の 3 インチ フルレンジ用に利用した NFJ 謹製エンクロージャーの寸法・容積を取っ掛かりにしました。もっとも、サテライトスピーカー利用を考慮して下記要素を加味して改修し、かつ、市販 MDF(450×600mm)で無駄なく切り出せるよう調整していったので、結果として板厚と横幅が同じなだけの別物と化しましたが。

  • 薄型化(奥行 140mm → 95mm)
  • 前面にパッシブ・ラジエーター追加
    →高さ伸長(122mm → 183mm)
    →背面バスレフポートなし
  • 背面パネルを着脱式に変更
    →内部フレーム追加
  • ターミナルを埋込型に変更
  • 壁掛フックを追加
  • 三脚取付穴を追加
図1.ざっくり3面図(制作時に変更あり、水色:内部フレーム)
図2.板材パーツ切り出しレイアウト(MDF 9mm厚 450×600mm)

そして、部品切り出し用図面を片手に DIY ショップ(メイクマン)へ。MDF を購入し、店内の加工サービスに作業を依頼。部品が込み入っていることもあり即時対応が難しいとのことで、あとよろで後日受け取りとしました。

左:前面パネル側 右:背面パネル側

翌々日、切り出された部材を受領、仮組みしながら寸法を確認。今回いい感じの精度で加工していただけました。しかし。毎度、仮組み時点が一番楽しい気がします。

前面パネルにスピーカーユニットを当ててみたところ、端子部が干渉してハマらないので、大きめのカッター(OLFA 万能L型)で切り掛けを追加。やたら簡単に削れてしまい、今回使用した MDF の強度にいささか不安を覚えたり。

ついで、棒状の部材から内部フレーム等に使用する小パーツをカッターで切り出す。切断部位の周囲に切り込みを入れてから、各辺を押し切っていくような流れ。素材がヤワなお陰で切断作業は比較的楽でしたが、それでも点数が多くて指が痛くなりましたとさ。

なお、次工程でこれら切片を接着する前に、外角を丸く面取りしておきました。量的にあまり効果は期待できませんけど、できるだけ平行な面を減らして音波を散らしてやろうという思惑です。

【自作スピーカー3:, #1, 2, 3, 4, 5, 費用, 調整

自作スピーカー3:サテライトスピーカーを作る

年末までにサブウーファーとセンタースピーカーを自作し、視聴覚コーナーの 3.1ch 化を済ませていたわけですが。やはりというかなんというか、どうせならサテライトを追加して 5.1ch 化してみようか、という気になってしまったのですね。

で、どうせ作るなら今までとは違う構成にしてやろうと、小型フルレンジユニットをコアにしたパッシブ・ラジエーターつき密閉型スピーカーとしました。

(NFJ曰く)有名ブランドOEM工場生産品
フルレンジスピーカーユニット2.5インチ/4Ω/MAX30W

フルレンジスピーカーユニットとパッシブ・ラジエーターは NFJ ストアにて購入(いずれも 2.5インチ)。エンクロージャーは、自分なり設計。

冒頭の写真の通り、既に完成していて、目下慣らし中です。基本的な制作手順はセンタースピーカーと似たようなものですから、ソコラヘンはソチラの記事に任せ、今回は特徴的なところを軽くまとめていくつもりです。

【自作スピーカー3:序, #1, 2, 3, 4, 5, 費用, 調整

Pioneer VSX-S510:3.1ch 化と CD 再生

サブウーファーは左の集成材筐体、センタースピーカーはオレンジ色の2台(並列接続)。フロント左右含め、全て手作り

自作サブウーファーの慣らしは道半ばですが、正月早々ホコリを立てるのもなんなので、三十日のうちに自作小型スピーカーともども AV アンプに接続してしまいました。従来の自作スピーカー 2ch 構成から 3.1 ch へのアップグレードです。

このアンプには、A: 3.1ch と B: 2ch の A/B スピーカーグループ分け機能があるので、グループ「A」を構成するスピーカーを正しく設定しておけば「AUTO SURROUND/SYSTEM DIRECT」をオートにするだけで、映像コンテンツ再生時に適切なサラウンド種を選択してくれるんだろうと思いきや、さにあらず※1。映画ディスクを再生した際に、意に反してセンタースピーカーから音が出ないサラウンドタイプが選択されたので、結局は手動で「ADVANCED SURROUND:ACTION」に設定しました(取説に各種モード/稼働スピーカー対照表がないのが地味に不便)。

※1 その後、BLプレイヤー側の設定ミスだったことが判明。過去にCDプレイヤーとして使っていたとき音がよろしくなかったので、余計なサラウンド用DSPを経由するからかもしれないと疑い、音声出力信号を非サラウンド(2ch)決め打ちにしていたのが原因。

スペースの都合で、ブルーレイ再生機をセンタースピーカー上に直置き…

改めてブルーレイ再生機で映画鑑賞。写真でフロント左右とセンターのスピーカーが隣接していることからもお分かりの通り、センターを置いたのはポジショニング改善ではなく、フルレンジスピーカーによる人の声の帯域強化。狙い通り、セリフはずいぶん聞きやすくなりました。

また、少しばかり穏やかな設定(Crossover 100Hz, -3dB)にしておいたサブウーファーは「縁の下の力持ち」として頑張ってくれています。せっかく作ったんだから目立たせたい気もするんですけれど、あんまりドンドコズゴーンさせると近所迷惑だから。

続いて CD 再生。従前から DVD-R 録画機を CD プレイヤーとしても利用していて、音楽を聴くのにいちいち映像信号を出して欲しくなかったので、あえて HDMI とは分けて光デジタルで「CD」にも接続していたのですが、こうすると再生開始直後の1秒くらい音が出ないのです(ということに、後から気づきました)。冒頭から間髪入れずに演奏が始まる楽曲では、かなり残念な状態。

DVD-R 録画機には TV アンテナを繋いでおらず、無信号の「外部入力」で待機させていて、その状態から CD 再生を行うとサンプリング周波数の変更(48kHz → 44.1kHz)が生じ、AV アンプ側でも同様の処理中に無音となっているのだろうと推測していました(例のカチカチ音もしてましたし)。

そんな次第で、このタイミングで「CD」の信号入力をデジタル(光)からアナログ(RCA)に変更。冒頭の無音問題、無事解決。

さて、続けて AV アンプの再生モード「PURE DIRECT」で音楽を聴いてみると。サブウーファーに低音を奪われて高音寄りになったフロント左右は、指向性が高まったことと相まって、なんだか爽やかな存在に※2

一方、サブウーファーに割り当てられた低音には適度な重厚感が生まれていて、これまた縁の下の力持ちレベルでいい仕事してくれている感じ。ただ、まだ慣らしが不十分なのか、左右2本とサブウーファー間の音のつながりに若干の違和感があるような、ないような…。

まぁ、なんにせよ。違和感あれこれに耳が慣れることも期待しつつ、しばらくこのまま聴いてみますわ。

※2 PURE DIRECT ではセンタースピーカーから音は出ません。

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