DAT 音源のファイル化の、その後。

春先から進めていたDAT音源のファイル化作業は、DATデッキが壊れてからも DAT Walkman を利用して粛々と続けられておりました。そして今日、中高生の頃にエアチェックしていたカセットテープやレコードのダビング分が終了ー。映画のメインテーマや主題歌の類がコマゴマあって、ファイル分けとタグ付けが思いのほか大変でした。

どちらかというと80年代サントラ系への偏りが見られた音源のファイル化の結果、ライブラリにミョーに増えたのがケニー・ロギンスと串田アキラと飯島真理の歌。そっかぁ。串田アキラって、和製ケニー・ロギンスだったんだー。ホントにホントにデンジャー・ゾーンだー♩

面倒な作業が報われた〜と思えたのが、ドリー・パートンとリタ・クーリッジ、それからスニーカーの再発見。ドリーとリタは、新たにベスト盤CDを購入して祝福。スニーカーはファースト(かつラスト)アルバムを複数回に渡るエアチェックで全曲コンプリートしていたことが判明したので、ファイル化せずにデジタルアルバムを買っちゃいました。

エアチェックした中にあったタイトル不明曲は、スマホの音楽検索アプリ Shazam の力で9割方解決。残りは出だしやサビのフレーズをヒアリングしてネット検索で探し出し、未解決曲はインスト1曲のみ。私がファイルで音楽を聴き始めたのは1999年頃でして、併せてDAT音源のファイル化作業に着手したものの、当時は情報検索したところで具体的な楽曲情報に辿り着けることは稀でしたからね。今の世の情報の集積具合と試聴可能な音源の多さには随分と助けられました。

ちなみに洋楽の曲名は、原題で統一しました。「今夜は青春」とか「さよならロンリー・ラブ」とか「君の恋人が去っていく音がするけど大したことじゃないよ」とか、味わいのある邦題も捨てがたかったんですけどね。これもグローバリゼーションの負の影響か(笑)。

しっかしねぇ。近年は音楽を聴くというより、運転や仕事の背景音として垂れ流してましたから、今回の一連の作業で久々に1曲1曲に真正面から向き合った気がします。感受性が豊かだった頃に聴いていた音楽は、今聴いてもイロイロ高ぶるモノがありますネ。慌てず騒がず楽しみながら、残りのテープをファイリングしていくといたしましょう。

昭和のラジカセ(AIWA CS-W33)を整備、したものの。

4年前に琉大の先生からもらいうけたラジカセ AIWA CS-W33 でしたが、なんせ回すテープがなかったので事務所の片隅でホコリを被ってました。だがしかし、先の出張で実家からカセットを数本持ってきたぜ、鳴らしてみようぜ、ということに相成りました。

いきなりテープをかけてワカメに転ずる事態を避けるべく、まずは清掃から。準備したのは、無水アルコールに接点復活剤に綿棒に、そして実家から持ち帰った TDK のクリーニングカセット(何年前のだ??)。

いざ電源を入れてみると、4年前とは違ってブ〜〜とハム音が盛大に鳴り出しました。水槽で使っているモーターや蛍光灯からのノイズかなーとも思ったのですが、コンセントを変えても同じ状態。さい先悪い予感。

ともあれ、いじっているうちに直る可能性もゼロではないので、整備し易いように分解開始!

大丈夫かどうか知らんけど、ヘッドクリーナー代わりの無水アルコールをプラモの塗料皿に移し、綿棒を使ってヘッドやピンチローラー等々をフキフキ。昭和の汚れを落としていきます。

音量スライダーがガリっていたので、手が届く様にカセット部を取り外し。スライダーの溝に接点復活剤を一拭きし、スライダーをガシガシ動かしてから、ティッシュをドライバーで突っ込んでフキフキ。ついでに各部の接点に復活剤を少量塗布。

そして電源を入れてみたら…
ラジオと外部入力で盛大にブー!
カセットの再生ボタンを押すと控えめにブー!

このハム音は、音量スライダーの位置には関わらず、一定の音量で存在していました。ヘッドホンで聞いても同様。私は電気のヒトではないので何とも言えませんが、アンプ部のコンデンサーが壊れてるんではなかろうか、という印象。

ともあれ、せっかくテープを持ってきたわけですし、ヘッドクリーナーを回してから「FLASH! Ah Ah—!!」。ワカメにもならず、無事 Queen が歌い始めましたとさ。幸いテープ再生では音量を上げるとハム音が音楽に隠れがちになったので、離れて聴く分には耐えられました。

ちなみにこのテープは、中1の頃に同級生が買った LP レコードをダビングさせてもらったもの。XLI-S は、当時のマクセルでノーマルテープの最上位グレード(その昔ケースが割れたらしく、DENONのケースに入ってますな)。いや、このラジカセがノーマルしか対応していないから、クロームやフェリクロームやメタルは持ち帰らなかったんですけどね。って、今回の投稿、カセットテープを知らん世代には何のことやらだろうなぁ(笑)。

ともあれ。このラジカセが使い物になるかというと、なりませんな。もっとも、カセット録音の主立ったところは DAT にダビングしていたハズなので、実害なし(いや、未コピーを残していたような記憶もあるぞ)。いずれにしたって、今回のトライは「古いモノが使えるものなら使ってみようかい」レベルのノスタルジーでありますゆえ、ま、使えないなら、それはそれでイタシカタナシであります。

アンディ・ウィアー:火星の人

このあいだ観た「オデッセイ」が面白かったので、原作本を読んでみました。

理屈づけがガッチリしているのでジャンル的にはハードSFなんだろうけど、大半が一人称「ぼく」の口語体で記されていることもあって、雰囲気はラノベ的。おかげで上下巻、すらーっと読み進めることができましたよ、と。なかなか面白かったです。

映画では説明が足りなかった理屈や心理描写が原作にあって、方や、映像でなければ分かりづらい描写が映画にはあってと、両者が丁度よい具合に補完し合っている感じです。原作を読んでから映画を観た人も、映画を観てから原作を読んだ人も、どちらも満足できるんじゃなかろうかと。つまるところ、上手いこと映画化しやがったなリドリー・スコット、であります。

なお。一人称が「ぼく」だと、本を読んでいる間に脳内で形作られる人物像って、どうしても10代〜20代前半のナヨっとした男性になってしまうのだけれど、先に映画を観ていた私の脳内ではマット・デイモンの姿で置き換えられていました。これは良かった、かな。同じく「ぼく」で語られるハインラインの「夏への扉」なんぞは、最後の最後で脳内で形作られていた人物像が崩壊しましたからねぇ…。なんて、一人称にいろんな言い方がある日本語ならでは、か。訳者も大変だ(笑)。

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