デューン 砂の惑星PART2

前作「デューン 砂の惑星」はコロナ禍で出不精になっていた所為もあって、テレビ鑑賞になってしまったので、その敵討ち、というわけでもないのだけれど「PART2」を封切り早々に観てきました。

前作で背景説明とキャラクター紹介が済んでいるおかげでしょう、展開がアグレッシブ。登場人物たちは作品内での時の経過を窺える変化をキチンと遂げていて、なんかこう、すごく真っ当な「大河ドラマの2作目」でした。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督との対談でクリストファー・ノーランが「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」を引き合いに出していたのも、納得。

ブレードランナー2049」でも感じられたのですが、ヴィルヌーヴさんは異世界環境に観客を引き込む映像づくりが上手いです。本作では、砂漠と砂虫がすごくイイ。あと、暗がりの中の人物描写も良かったな(シャーロット・ランプリングの目が素敵)。そんな次第で、暗闇の中の大スクリーン鑑賞をお勧めします。3時間超もあるけれど、長さは余り感じませんでしたよ。

ちなみに。私は80年代のデヴィッド・リンチ版もリアルタイムでした。世間的には評判がよろしくないですけれど、私ゃさほど嫌いじゃないです。本作を観て記憶が蘇ってきましたが、意外にちゃんと作ってたじゃん、て感じ(特にビデオ配給の長尺版)。敢えて今、見直す必要はないでしょうけどね。

ARGYLLE/アーガイル

「キングスマン」のマシュー・ヴォーン監督による「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」的なナニカ、程度の予備知識で「アーガイル」を観てきました。

確かに冒頭こそ「ロマンシング・ストーン」くさかったのですけれど、どんどん捻りが効いてきて、別方向に進んで行きよりました。一癖ありますが、面白かったです。「キングスマン」や「オースティン・パワーズ」、「アイアン・スカイ」あたりの荒唐無稽さを楽しめる人におすすめ。

近ごろの映画って、設定やらストーリー進行やらがヤケに緻密な作品が多くて、ちょっと気づまりを感じていたのですが、エンタメ作品なら、本作くらい感覚的でもいいじゃんか、と。いや、本作も設定はメタ的だし重層化してるんだけれど、そこを意識しないでも十分楽しめる「緩さ」が良かったのかな。

どちらかというと、私は犬派

ゴジラ -1.0

キングシーサー、ではない。

そういえば。しばらく前に「ゴジラ -1.0」を観ていたのでした。

山崎作品ではいつものこととはいえ、ステレオタイプな登場人物が、ありがちなセリフを条件反射的に言い合うばかりのドラマパートではもやもや。相対的に、セリフ少なめの女性陣は良かったかな。

そしてまた山崎作品ではいつものことで、監督が影響を受けた映画の設定やらシークエンスやらが、オマージュでもパロディでもなく、そのまんま引用されているのを目にするたびに、興を削がれておりました。

なんだけど。それはそれとして、ゴジラの見せ方はバツグンに良かったです。最初の水雷戦と初上陸パートだけで、その他すべてのアラが許される感じ。

総じて朝ドラにゴジラが出てきたような映画だったから、エンドロール後にでも、廃墟と化したGHQ本部から這い出てきた萬平さんが「よくやった、福子!」と叫んでくれてたなら、笑顔で劇場を後にできたのになと思いましたとさ。

・萬平:朝ドラ「まんぷく」の主人公。発明家/起業家。戦後GHQに逮捕され、物語を遅滞させる。「よくやった、福子!」「すごいぞ、福子!」が口癖。別の世界線では、巨災対副本部長。
・福子:朝ドラ「まんぷく」の主人公。萬平さんLOVE。本作では、口は悪いが面倒見の良いオバチャンに転生。

Copyright ©2024 新たまねぎ小屋 All Rights Reserved.