佐野元春:今-I-45/20-II

2022年の夏、佐野元春 & THE COYOTE BAND のアルバム「今、何処」を聴いた時、過去作を想起させる内容や旋律などに引っかかりを覚える曲がチラホラあったのだけれど、演奏面ではバンドとしての一体感がすごく良くって、これは今のうちにライブで聴いておくべきかもしれないと思っておりました。

とかいって 3年経過。2025年の春、元春クラシックスの再定義集「HAYABUSA JET I」発売。過去に別バージョンを耳にしたことのある曲が複数収録されていたせいか、もひとつ新鮮味に欠けるように感じられたとはいえ、今のメンバーで改めて初期作品群に対して正面から向き合い、再構築した版ですもの。生で聴くのに面白そうな組み合わせなので、沖縄公演のチケットを購入したのでした。

そして 9 月末、ライブ当日。「元春デビュー 45 周年」記念ライブという認識でいたので、入場してから「45th + 20th」という表示を目にしたときは「あれ?」と思いました。そうか、コヨーテも結成からそんなに経過してたんですね。

セットリストは、前半が「HAYABUSA JET I」を中心にした 80-90 年代の曲、後半が「今、何処」多めのコヨーテ時代の曲、終盤はオールタイムでノリのいい曲といった構成。

ノドの調子が少々よろしくないご様子で、特に前半で高いキーを出すときにきつそうだったり、MC の声が聞き取りづらかったり(聞き漏らすまいと観客が一斉に静まり返るのが面白かった)していたけれど、動きは私が知っている 60 代後半のソレではなかったです。しかも、休憩込みとはいえ2時間半強の長丁場ですもの。年齢ってなんだろうと思いました(笑)。

さて。前半の終盤、「HAYABUSA JET I が好評だったので、調子に乗って II を作ってます!」なんて MC に続いてソレらしき曲たちが演奏されたので、「I」から1年後となる来年の春にでも「II」が発売されるんだろうと想像していたら、12月早々に発売されちゃいましたよ、と。45 周年に滑り込ませましたな。

で、早速「HAYABUSA JET II」を聴いてみました。「I」より「II」収録曲の方がコヨーテに合っているような印象を受けましたし、私的にも「II」の選曲や再定義ぐあいが好みだったので、万事オーケーなアルバムでした。

ところで、アルバムのクレジットを眺めていたら「Moto ‘JET’ Sano」と記されていることに気づきまして。やっぱ「Moto ‘LION’ Sano」とは別人格なのねと思うと同時に、タイガー・ジェット・シンを思い出した私がおりましたとさ。サーベル片手に大暴れなんかしないってぇの。

Bryan Adams : Roll With The Punches

ブライアン・アダムスは、昔からリアルタイムで聴き続けているアーティストのうちの一人。新作アルバム「Roll With The Punches」が発売されるという情報を目にした際も、そそくさとアコースティックバージョン CD 付きデラックス版を予約しておりました。

9月に入ってアルバムが届いてからというもの、通常盤を1週間ほどプレイヤーに入れっぱなしにして、朝な夕なに通し聴き。前作「So Happy It Hurts」が、気持ちよく振り切ったアルバムだったせいか、今回のアルバムは、もひとつ地味というか「いかにもブライアン・アダムス」的な安定感が強いような印象を受けました。ちょっと最近、曲名連呼パターンが多過ぎじゃね?て気にもなったり。

だがしかしけれども。そのあとアコースティック版ディスクに切り替えたら、実に耳当たりがよろしゅうございまして。これまた1週間くらい聴いているうちに、曲名連呼が気にならなくなったばかりか、気づけば口ずさんでいる私がおりましたよ、と。

さらにその後、再び通常盤に戻ったら、取り立てて引っかかりどころもなく、楽しく聴けちゃいました。よって、アルバム通し聴きする人にはデラックス版が良いやも。

【ブライアン・アダムス 発表年代別おすすめアルバム】
1980s : Reckless いわずもがなの代表作(この前後作も良い)
1990s:18 til I Die  オバカ(もちろん褒め言葉)似合い始め
2000s:Room Service  シンプルさが良いです
2010s:Get Up 懐古色&ジェフ・リン色強めの異色作。でも、いい塩梅
2020s:So Happy It Hurts 帰ってきたオバカ。れっぜっびっぎったー!

Billy Joel : Streetlife Serenade 50周年記念盤

50周年記念デラックス・エディション CD(完全生産限定盤/2CD)

私が洋楽を聴き始めたのは、ビリー・ジョエルのアルバムで言うと Songs in the Attic (1981) あたり、やたらラジオからライブ版の Say Goodbye to Hollywood (さよならハリウッド)が流れていた頃でした。

以来、ビリー・ジョエルの新曲はリアルタイムで追っかけていたものの、70年代の曲はベスト盤収録曲止まり。アルバム単位で掘り起こすようになったのは、割と最近になってからで、通算5作目 The Stranger (1977) までは遡ってました。

そして昨年末、アルバムとして聴いたことのなかった3作目 Streetlife Serenade (1974) の 50 周年記念盤が出るよという記事を目にして、年明けにライブ盤付 CD を予約しておいたのです。それが、つい先ほど着荷。

ごく普通の CD アルバム(5作目 The Stranger)との比較

ピンポーン!とメール便じゃなくて宅配便で届いたから、なんでだろうと不思議に思ったら、一般的な CD のパッケージじゃなかったよ。デカかったよ。記憶の中のドーナッツ盤レコードサイズだよ。こりゃまた置き場所に困るなぁ…。

ともあれ、拝聴。声が若いです。空気が 70 年代です。Songs in the Attic や Greatest Hits Volume I(ビリー・ザ・ベスト 1枚目)収録曲が混ざってて、全く馴染みのない曲ばかりでないあたり、アルバム通して聴きやすかったです。ライブ盤も楽しげでヨカッタ。

ま、しばらくヘビロテしながら、同梱資料を堪能するといたしましょうか。

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