ピーマンの肉詰め偽装

近くのスーパーで「冷凍ハンバーグ(60g)10個入り」が298円という値段で売られている。バーゲン価格ではない。その存在は随分前から知ってはいたものの、「どうせ値段なりの味なんでしょ」とバカにしてカゴに入れることはなかった。だが、長い間目にしていると「ひょっとしたら隠れた定番人気商品なのかもしれないな」という考えが頭をよぎり始める。しかも298円である。1個30円もしないのだ。実にお買い得商品ではないか。

買って帰る。フライパンに薄く油を引き、フタをして弱火で加熱する。既に調理済みであるから、熱を通すだけでよろしい。頃合いをみて、フタを開けて様子をみる。おかしい。ハンバーグの匂いがしない。即座にレトルトカレーを温め、ハンバーグカレーにメニューを切換えた。それが一昨日のこと。

さて困った。まだ8個残っている。だがそういつまでも冷凍しておくわけにも行くまい。消費せねばならんのだ。先日、賞味期限切れ間近の大量のギョーザの処分に苦慮したばかりだというのに、再び同じ憂き目に合うとはなんたる不幸か。そのまま食べる気にならないのだとすれば、タレを工夫すれば良い。和風におろしポン酢は簡単で良いが、大根を買っても使い切るのが大変だ。ハンバーグ・カレー同様、何らかのオプションとして扱うのが妥当であろう。ふむ。ピーマンの肉詰めなどは手間がかからなそうだ。

まずは熱したフライパンの余熱でハンバーグ2個を解凍する。ほどよく柔らかくなったら、指で細かくちぎる。つなぎとして溶き卵半分を加え、さらに指でほぐしていく。ピーマン3個を二つに切り、種をスプーンで掻き出し、ほぐした肉を詰める。もともと火が通っているハンバーグだけに、ほぐしたところでゴロゴロとしたダマになっているのだが、そこは、無理のしどころというやつである。詰め終わった姿を眺めれば、なにやら既に出来上がり状態。

フライパンに油を引き、ピーマンの皮側を下にして並べ、フタをして熱を通す。だが、中に肉の入ったピーマンは安定してしまうので、どうしても同じ箇所しか焼けないのが気になる。とりあえず、ピーマンをひっくり返し、肉片を押し固めるように上から押さえつける。もともとハンバーグは熱が通っているので、肉がボロボロと落ちなくなればそれで良い。が、まだピーマンが青々としている。そこで再び皮を下にしてフタをしてしばらく焼く。頃合いになったら、ピーマンをキッチンペーパーに載せて皮についた油を取り、そして皿に並べる。

試みに買ってきた、カゴメ「大人のトマトケチャップ」をたら〜っとかけ、パクン。・・・む。思いのほか、イケル。冷凍ハンバーグ独特のクセを、甘味が少なく酸味の強いケチャップとピーマンの風味がほどよくカバーしてくれているのだ。肉の凝縮感に欠けるのは致し方ないが、一体感はちゃんとある。少しラードを加えておけば、ピーマンに溜まった肉汁も再現できるに違いない。先生!成功です!! よくやった、雪くん。

ハンバーグ消滅まで、あと6個。
ヤマトんちゅの戦いはまだまだ続く。

それにしても、ピーマンが5個で99円だから、おかずだけ考えれば130円もしないのか。なんつー安上がりな。

琉球大学:公開授業で思うこと

聴講中の授業のひとつは、グループ・ディスカッションに重きを置いたもの。毎回授業終盤にランダムで6〜8のグループに分けられ、10分〜15分くらいの時間で意見を出し合い、司会者がまとめ、代表者が発表するという趣向。

そんなのを現役学生に混じってやってると、さすがに頭が固くなってきているのを認識しますですはい。しみじみと。

もともと独善的な傾向のある人間が、どちらかというと「仕切り屋」的な側面が強調されやすいWEBディレクターなんてものを長くやってきたところへ、お脳の経年劣化で柔軟性が欠けてしまうと、どう考えても出来上がるのは只の偏屈オヤジですもんねぇ。

だから、この授業はちょうどいいリハビリって感じです(笑)。
同じグループになった学生諸氏には迷惑千万かもしれませんが!

うなとりの300円弁当をつまみながら、そんなことをボンヤリと考えておりました。

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