
2022年の夏、佐野元春 & THE COYOTE BAND のアルバム「今、何処」を聴いた時、過去作を想起させる内容や旋律などに引っかかりを覚える曲がチラホラあったのだけれど、バンドとしての一体感がすごく良くって、これは今のうちにライブで聴いておくべきかもしれないと思っておりました。
とかいって3年が経過。今年3月、元春クラシックスの再定義集「HAYABUSA JET I」発売。過去に別バージョンを耳にしたことのある曲が複数収録されていたせいか、もひとつ新鮮味に欠けるように感じられたとはいえ、今のメンバーで改めて初期作品群に対して正面から向き合い、再構築した版ですもの。生で聴くのに面白そうな組み合わせなので、9月開催の沖縄公演のチケットを購入したのでした。

そして、ライブ当日。「元春デビュー 45 周年」記念ライブという認識でいたので、入場してから「45th + 20th」という表示を目にしたときは「あれ?」と思いました。そうか、コヨーテ結成からそんなに経過してたんですね。
セットリストは、前半が「HAYABUSA JET I」を中心にした 80-90 年代の曲、後半が「今、何処」多めのコヨーテ時代の曲、終盤はオールタイムでノリのいい曲といった構成。
ノドの調子が余りよろしくないご様子で、特に前半で高いキーを出すときにキツそうだったり、MC が聞き取りづらかったり(聞き漏らすまいと観客が一斉に静まり返るのが面白かった)していたけれど、だんだん温まってきた後半から終盤にかけてイイ感じに盛り上がりました。休憩込みとはいえ2時間半強の長丁場、動きは私が知っている 60 代後半のソレでなく、年齢ってなんだろうと思いましたとさ。
さて。前半も終わり近くになった頃、「HAYABUSA JET I が好評だったので、調子に乗って II を作ってます!」なんて MC に続いてソレらしき曲たちが演奏されたので、「I」から1年後の来年の春にでも「II」が出るのかなと想像していたら、12月に入って早々に発売されちゃいましたよ、と。45 周年に滑り込ませましたな。
で、早速「HAYABUSA JET II」を聴いてみました。「I」より「II」収録曲の方がコヨーテに合っているような印象を受けましたし、私的にも「II」の選曲や再定義ぐあいが好みだったので、万事オーケーなアルバムでした。
ところで、アルバムのクレジットを眺めていたら「Moto ‘JET’ Sano」と記されていることに気づきまして。やっぱ「Moto ‘LION’ Sano」とは別人格なのねと思うと同時に、タイガー・ジェット・シンを思い出した私がおりました。サーベル片手に大暴れなんかしないってぇの。

