常世の春

しばらく前から我が家に住んでいるヨシノボリのジャイコさん。

ドラえもんのジャイコは、ジャイアンの妹というだけで性根の美しい人なのだけれど、我が家のジャイコは女というだけで性格がジャイアン。実にランボーな娘さんです。

ジャイコ対策として遮蔽物を増やしてはみたものの、その粗暴さには変化なし。他のヨシノボリの生命の危機を覚えるようになったため、火曜日に小柄な雌雄ペアを職場に疎開させました。生息密度が下がればジャイコの行動も落ち着くのか、あるいは、これまで水槽の中で上手く立ち回っていたスネオに攻撃が集中してしまうのか。期待と不安を抱えながら帰宅してみれば、ヒレに傷を増やしたスネオとご対面。相対的に広くなった水槽の中で、ジャイコが凱歌を挙げておりました。

仲良くしようよ、ホントにさ・・・。

ジャイコ対策

昨日レポートした我が家のヨシノボリたち。ジャイコの横暴があまりに目に余るので、水槽内の遮蔽物を増やす事にしました。

一方で、ジャイコと、その次にエラソーにしている♂(便宜上、スネオとする)の2匹は、まだ繁殖期にありそうな体型と体色をしており、ひょっとしたらひょっとするので、その点も考慮。

はじめホームセンターでレンガ風のタイルを探してみたのだけれど、手頃な部材が見つからず。ケミカル品を使うのはイヤだったのですが、しかたがないので発泡塩ビ版で自作することにしました。発泡だと自重で沈まないのは明白なのだけれど、そこでアクリルにしなかったのは、以前、ネイキッドのスピーカーステー制作で、エラく時間がかかったから! 今回はでっちあげ仕事なので、加工性を最優先としました。

プラ板と一緒に買ったのは、セメント用の砂。ヤツらの生息環境に近い条件を作り出してやろうという寸法です。既に平均直径6mmくらいの砂利と、それよりももう少し細かい砂利を使っていたので、その上に砂の層を作ってやろうかと。

セメント用を買ったのは、加熱乾燥処理が加えられていた上に安かったから。学生時代に飼育室でヨシノボリを飼っていた際、寄生性のイカリムシ(T字型した甲殻類)に随分と悩まされたことが苦い記憶として残っている私(何度キナルジンで麻酔して、ピンセットで引っぱり抜いたことか)。ソイツラは砂利から湧いてきやがったものと仮定していたので、今回の飼育で使用している砂利は徹底的に消毒を加えていたのです(最初の砂利はカビキラーで塩素攻撃、次のは熱湯攻撃)。

※こういうことに試行錯誤していくことにも楽しみを覚えているので、あえて調べたりしてません。なので、上記のような判断および手段が適正なのかは不明というか、無責任(笑)。

と、いった次第で、今の水槽はこんな感じ。なんだか神社仏閣のような雰囲気になってしまいました。

塩ビ版には足をつけ、砂の上にオーバーハングさせるような形で設置。写真の時点では、急激な環境変化に皆とまどいながら大人しく寄り添っていましたが、しばらくしたら案の定ジャイコがイジメを開始(塩ビ版の下にいるのがジャイコ。上の手前にいるのがスネオ)。塩ビ版の対面に、石を重ねて反ジャイコ陣地を敷設したものの、やがてソコもジャイコの支配下に・・・。

うーん。ジャイコだけ、一回りデカイからなー。スネオと上手くやってくれると良いけれど、現状では望み薄だなぁ。・・・この命名規則でいうと、残る2匹は、のび太としずかちゃんになるのかしら。♀の方はその他3匹に邪険にされているので、しずかちゃんだと可哀想すぎるから、しばらく名無しにしておこう。うん。

お世話になりましたをお世話。

先週末、大学に残っている同級生がヨシノボリのサンプル採集に行くというので、ロケハン仕事がてら手伝ってきました。

ヨシノボリはハゼ科の淡水魚。よって、採集はヤンバルを流れる小川にて。大学卒業時に、研究室で飼育していたヤツらを戻しに行って以来だから、このフィールドを訪れるのも実に何年振りかしらん(笑)。

学生当時、ザトウクジラの生態&個体識別調査に参加しつつも卒論対象としては厄介なネタだった上、クジラの研究者になること自体にモチベーションが下がっていたときに、研究室の教授から「それならヨシノボリをやりなさい」と薦められた生物でした。よって、大学卒業を世話してくれた愛いヤツ♪でもあります。

せっかくだから、雌雄2対を自宅で飼うことにしました。ギリギリ繁殖期なので、体色が鮮やか。

ハゼの仲間ゆえに、底性。かつ、目が正面よりについてるので、覗き込むと「ナニ?」という感じで視線が合います(笑)。

そんな愛嬌あるヨシノボリなのですが、メス1匹がジャイコ化してしまい、狭い水槽の中で他の連中を追いかけ回しているのが悩みのタネ。そのうちトレードしてくるかなぁ。ま、いろいろ条件を整えながら、ゆくゆくは繁殖までこぎつけてやろうと企んでいるところでありまする。

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