60cm海水魚水槽 大掃除:#1 水槽を空にする。

2020年8月に仕切り直した60cm海水魚水槽。その後、取り立てて不具合もなく推移していたのですけれど…

2021年7月10日
イソギンが健在だった頃の海水魚水槽

2021年10月、イソギンチャクのパワーヘッド吸い込み事故が発生。イソギンともどもパワーヘッドまで他界。事故に気づいた時には水質が悪化の一途を辿っていて、取り急ぎ、水換えとスキマーの動作強化で凌ぎ、追っかけパワーヘッドを新調したのです。

2022年7月24日
上の写真から1年、大掃除当日の様子

やがて冬が過ぎて春になり、水質安定の証ともいうべき石灰藻がイヤになるくらい繁茂。だがしかし。この間に肩を痛めてしまい、水槽の大掃除は肩の回復待ちになっておりました。そしてまた時が流れ、先週日曜日の昼下がり。なぜか突然やる気になってしまったのです。

まず、生体とライブロックの避難環境を準備。保管していたスリム水槽、外部フィルター(EHEIM Classic 2211)とスキマーをセットし、60cm 水槽の海水を半分くらい移しておく。

EHEIM Classic 2215

続いて 60cm 水槽の外部フィルター(EHEIM Classic 2215)を取り外して清掃。ろ材はバケツにあけ、海水で手もみ洗い。さらにホースの内部をブラシで擦り洗いしたら、グレープフルーツの実をほぐしたような赤っぽい藻類がワサワサ出てきて、キモチワルヨカッタです。

洗ったろ材の一部は避難水槽用の外部フィルターに詰めて使用(両水槽の水質ギャップを可能な限り抑える思惑)。60cm 水槽内のライブロックは一つ一つ取り出しては、はびこった藻類を指先で摘んで落とし、さらにハサミで丸刈りにし、海水で軽くゆすいでから避難水槽へ移植。その作業の途中で、生体も都度移植。最後に新鮮な人工海水を足してやって、避難水槽側の作業、完了。

してからに、60cm 水槽に敷かれた底砂を、スコップで掬いつつ水槽内でゆすぎ、バケツへと移していく。そこそこバケツに溜まったら、人工海水で手揉み洗いし、別の容器へ移して海水に浸しておく。これの繰り返し。

何せ結構な量の砂を撒いていたので(水槽2基分をまとめていた)、夕方になっても作業が終わらず。砂粒で爪の奥が切れ、砂に紛れた有象無象に刺されて手の甲がポツポツと腫れ、気分はもう賽の河原。

幸い、気持ちがポッキリと折れる前に砂出し作業は完了。流しで水槽を水洗いし、石灰藻にサンポールを撒いて(換気に注意!)カーボン製スクレーパーでガコガコゴシゴシ削ってみたのだけれど、なかなか落ちてくれない。

そこで、水槽を横倒しにし、下面のガラスを覆い尽くすくらいサンポールを撒いて、しばらく漬け置き。したら、いい感じにふやけて、スクレーパーで落としやすくなってくれましたよ、と。

そんな具合に各面の石灰藻をひとしきり落としたら、中性洗剤で水洗い。
さて、次は部材の詰め直しじゃ。

60cm海水魚水槽 再リブート:#4 住民たち

最後に水槽住民たちのご紹介

まずは、最古参となっているカクレクマノミ。導入から4年強。成長とともに性格が少々キツくなってきていて、今回の再々立ち上げ作業中、水槽に手を入れるとカミつきにかかってきやがりました。そのくせ、ほんの少しでも立場が弱くなると引っ込み思案になったりもする繊細さも合わせ持っています。

続いてニセモチノウオ。たしかカクレ導入から少し経過した頃に入れたので、4年目くらいでしょうか。今回のレイアウト変更で岩場周りに通路を多くとったのを幸い、巡回に勤しんで他の住民に必要以上にプレッシャーを与えています。こちらも成長とともに気が強くなってきていて、現時点ではコイツが水槽の主。いちばん小さいのにね。

新規加入のフタイロカエルウオ。水が安定するまでに繁茂するであろう、珪藻の退治役としてギンポ系を探しているうちに出会ったヤツです。新参者でかつ少し痩せ気味でもあったので、水槽立ち上げの早い段階で導入し、しばらく単独飼育して粒餌に慣らして太らせました。もはやすっかり舌が肥えてグルマンになってしまってるでしょうから、珪藻取りには役立たないかも…。

魚類は以上の3個体のみ。事務所に水槽を導入して10年くらいになりますが、その間にイロイロ入れて☆にしてきたこともあって、最近は動きが面白くて環境変化に強い小粒なヤツらを少数飼育する程度にしています。

続いて無脊椎。今回新たに入れたスカンクシュリンプは、1週間もしないうちに食殺されてしまいました。ライブロックの表面を掃除してくれるのを期待していたんですけどね。ほんとにもう、ニセモチめ。自分よりも高いヤツを食いやがって。お前もグルマンか。

そして、カクレ導入時に発見したイソギンチャクは、4年を過ぎても元気に成長しています。大きくなってから眺めてみるにタマイタぽい感じなのですけれど、それにしては過去にタマイタに入っていたカクレが棲みつかない。発見時の印象通り、サンゴイソギンなのかなぁ。

そしてそして、今回また新たな小型イソギンチャクを発見。たぶん、スカンクシュリンプと一緒に袋詰めされてきたのかと。ぱっと見、悪者に化ける雰囲気がなかったので経過を見送るつもりですが、ここまで透明だと、うちの水槽では暮らしていけないかもしれませんね。先住イソギン由来の褐虫藻を取り込めるか否かにかかってきそうです。

その他、掃除役として、マガキガイ4個体、シッタカ(ぽいの)4個体を入れてます。約3週間に渡った立ち上げ作業を終え、その間ライブロックについた藻類を貝類がどれだけ食べて減らしてくれたかというと… うーん、あんまり変わらない感じ。やっぱり藻類退治にはヤドカリを雇うのが順当ですかねぇ。ただ、経験上ヤドカリがいると貝類の死亡率が上がる傾向があるので、悩みどころではあるんですよね。

ともあれ、今はこんな感じです。このまま平和に過ごせるといいな。

|60cm水槽 再リブート:#1, 2, 3, 4|

60cm海水魚水槽 再リブート:#3 光量調整と生体の移植

【14日目 8/7】

イソギンのために照明を焚いていた隔離水槽で、珪藻が大繁茂。イソギンが調子を崩しつつあるような雰囲気。少し早いような気もしたのだけれど、取り急ぎ 60cm 水槽でライブロックを組み上げ、イソギンを退避させることにしました(写真では分かりづらいですが、2段目の左端に活着してます)。

ライブロックの配置は、従来は背面に寄せて山を作るようなイメージで組んでいたのですが、今回は水流の淀みをなくすよう、数量を減らしたうえで水槽中央に横長の岩場を造成し、外周の余白を大き目に確保。また岩場部分も、下側に空間を有する形状の部材を下段、その上に残りモノを跨らせるように組み、岩場内部を往来しやすくしています。

【15日目 8/8】

過去の藻類繁茂の原因は、強すぎる LED 照明にもあったんじゃないかと疑っていたので、試しに天井ガラスに遮光板を載せてみることにしました。

パンチ穴つきアルミ板(40x20cm)を買ってきて、適当なサイズ(40x10cm)に裁断。素材ままだと室内への光の照り返しが眩しいのと腐食予防の目的で、ミッチャクロンと自動車用塗料(外はマットブラック、内をチタンシルバー)でスプレー塗装。また、海水が付着した時にベタぁとガラス面に張り付かないよう、足代わりに自動車用ドアモールを噛ませときました。

ガラス板に載せたところ。幅 60cm の水槽に対し、遮光板は幅 40cm。イソギンがいる範囲を覆わないよう片側に寄せて設置しておきました。その後イソギンは移動することもなく、どうやらフル光量がお好みの様子。

パンチ穴を通した光で、水槽内はいくつものスポットライトで照らされるようになるのかなーと少し期待していたのですが、実際には光がパンチ穴を通過する際に干渉を起こすようで、線状に落ちてました。パンチ穴がアルミ板に占める割合は感覚的に4割程度だと思うのですけど、遮光板の下は「なんとなく暗いように見える」程度。思っていたより、明るい。ガラス板と水面とでかなり散乱しているのかもしれませんね。

【23日目 8/16】

8/8 にフタイロカエルウオ(新加入)、8/14 にカクレクマノミ、8/15 にスカンクシュリンプ(新加入)、そして 8/16 にニセモチノウオを移植して、これにて一件落着。この記事を記している時点(34日目)まで、大きなトラブルに見舞われることもなく、無難に推移しています。

つづく

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